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顔を見せる
「顔を見せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔を見せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
通りはない。少年の後ろから歩いて行く男。この男はちょっと振り返り、マスクをかけた
顔を見せる。少年は一度も後ろを見ない。
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斜めに見....
「或る女」より 著者:有島武郎
つき合って泣いていた。人の足音を姉のそれだとは充分に知りながら、愛子のほうは泣き
顔を見せるのが気まりが悪いふうで、振り向きもせずに一入《ひとしお》うなだれてしま....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
けることが出来なかったのである。 二学期が来て、高等学校の生徒がそろそろ鎰屋へ
顔を見せる頃になっても、豹一の姿だけが現れないとさすがに分ると、お駒はぽかんとし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てくれるでしょう」 「そりゃあ逢ってくれるに相違ねえ。だが、浅井の屋敷へは迂濶に
顔を見せるなよ。その屋敷内に係り合いの奴があって、おれ達が探索していることを覚ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しました」 半七は下駄屋の店を出た。 三 その次の日の午頃に庄太が
顔を見せると、彼はすぐに半七にひやかされた。 「おい、庄太。おれもぼんやり者だぜ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のを心着かなかった鞠子の婢も、旦那様の踏みしだいて出る跫音に、ひょっこり台所から
顔を見せる。 「今日は、」 と少し打傾いて、姉夫人が、物優しく声をかける。 「....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
どあざ笑っているのかも知れないと、僕は非常に不愉快を感じた。 しかし、不愉快な
顔を見せるのは、焼き餅と見えるから、僕の出来ないことだし、出来ないと言っても、全....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かけても返事をしない。なぜ黙って俯向いているんだよと云うと、しん吉は小さな声で、
顔を見せると阿母さんがびっくりするからと云う。おまえの顔を見てびっくりする奴があ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ある。女どもの方でも、自分からちょっと編笠を持ちあげて、こっちを見るのか、自分の
顔を見せるのか、する奴もある。時とすると、舌を出したり、赤んべをして見せたりする....
「火星兵団」より 著者:海野十三
と新田先生は、腹の中で、おどろいたのだった。
だが、千二の前で、心配そうな
顔を見せることはいけないと考え、心配の方は、自分の腹の中にだけしまい、
「千二君....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いひとは更にまた、わたしの胸を刺し通す鋭い白刃のような絶望の顔や、歎願するような
顔を見せるのです。それは「悲しみの聖母」のどれよりも、もっと強い刃でつらぬくよう....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
えたようにも思われた。 わたしは自分の家へ帰った。ゆうべ逃亡した雇い人は定めて
顔を見せるだろうと思いのほか、Fはどこへ行ってしまったか、一向にその消息が分から....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
ように」 純之進は江戸を立つ時に、先輩から注意されて来ているので。うッかり甘い
顔を見せると、御馳走政略に載せられて、忽ち田畑の凶作を云い立て、年貢御猶予の願い....
「瘤」より 著者:犬田卯
、今日は最も重大な村の経済問題の討議される日であった。他の議員たちも緊張して早く
顔を見せるだろうと思って自分も意気込んでやって来たにも拘らず、依然として時間をす....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
金ばらいがわるくなってきた。 こうなると、さすがのおかみさんも、ときにはいやな
顔を見せるようになってきた。 その日も、ホールとホール夫人がおそい昼食をとって....