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「顔形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
だ人たちの中からすぐ女将《おかみ》を見分ける事ができた。背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく分別《ふんべつ》の備わった、きかん気らしい、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ち遠い、胸の底から全身が固くなって殆ど息を継ぐ事も出来ぬ。 第七十五回 死人の顔形 仏壇の様な戸の中も、略ぼ左の棚と同じ工合で、白木の箱が二個乗って居る。....
人間灰」より 著者:海野十三
を見た。 「なぜ大不利か? 手錠をかけられていることが永いほど、純潔らしい貴下の顔形が曇ってゆくからです。これまで六回に亘って貴下が犯してきた変態殺人がそのまま....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
訊いたところの横浜の不良で、カンカン寅の一味なのだ。 「そうだ、仙太だ。すっかり顔形が違っている感じだが、仙太に違いない」 「誰が殺ったんだろう?」 二人の刑....
三人の双生児」より 著者:海野十三
いこと。そしてさっきからあんたの顔を見ているのだけれど、あんたとあたしとはまるで顔形も違っていれば、身体のつきも全然違っているように思うわ。ね、そうでしょう。ど....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。どんなに俺は喜んだか! で、山伝いに行くことにした。そうして今やここへ来た。顔形さえ変えたなら、未来|永劫北条内記|奴、見付けることは出来ないだろう」 源....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いをするのだろう。自分をもてあそびに来るいやな男――自分の敵に媚びるために自分の顔形を飾らなくてはならないとは! いや、今ではもうそのような事を考えなくって、た....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
つも年齢下の男を婿に迎えたわけだが、ヒルミ夫人の見染めただけあって、人形のように顔形のととのった美男子だった。 いずくんぞ知らんというやつで、この万吉郎なるお....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の色は何々ぞ。紺に、瑠璃に、紅絞り、白に、水紅色、水浅葱、莟の数は分らねども、朝顔形の手水鉢を、朦朧と映したのである。 夫人は山の姿も見ず、松も見ず、松の梢に....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、可かったらつけてくんねえ。後で持たして寄越すぜ。」 と真顔でいう、言葉つき、顔形、目の中をじっと見ながら、 「そんな吝じゃアありませんや。お望なら、どれ、附....
無題抄」より 著者:上村松園
もお伺いして絵の稽古をしていられました。 武子さんの、あの上品な気品の高い姿や顔形は、日本的な女らしさとでもいうような美の極致だと思います。 あんな綺麗な方....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
はいり、旗二郎を父親へひきあわせ、スルリと奥へひっ込んだまでに、見て取った彼女の顔形は、全く美しいものであった。キッパリとした富士額、生え際の濃さは珍らしいほど....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
る。赤い手甲に赤い脚絆、鬱金の襷をかけている。編笠をかぶっているところから、その顔形はわからなかったが、年の格好は十八、九でもあろうか、小づくりではあるが姿がよ....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
ぜその風俗が非芸術的に見えるのでしょう。それは、女自身がそれぞれ自分の性質なり姿顔形なりにしっくりふさわしいものがどれだというしっかりした考えがなくて、ただ猫の....
中支遊記」より 著者:上村松園
っていたという土産話も、今では嘘のようである。 私たちは当時の一人一人の勇士の顔形を胸に描き合掌する気持で秋の日射しの中を歩いて帰った。 支那の娘 ....