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「顔立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
でも申しましょうか。眉の迫った、眼の涼しい、心もち口もとに癖のある、女のような御顔立ちでございましたが、どこかそこにうす暗い、沈んだ影がひそんでいて、殊に御装束....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
筋の透った、生際《はえぎわ》の美しい細面で、殊に眼が水々しい。――が、どこかその顔立ちにも、痛々しい窶《やつ》れが見えて、撫子《なでしこ》を散らしためりんすの帯....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
ずり、同じく漆黒の服を着ている。身体はすんなりとして細く、背は高いほうだ。上品な顔立ちをもち、心もち青白い皮膚の下に、なにかしら情熱が静かに、だがすこやかに沸々....
去年」より 著者:伊藤左千夫
はひとしきり遠慮会釈もなく泣いてから、仏のような顔して眠っている。姉々にすぐれて顔立ちが良い。 「大事にされる所へ生まれて来やがればよいのに」 妻はそういう下....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
当てて、金の工面を頼む手紙を書いた。その手紙には、一芸者があって、年は二十七――顔立ちは良くないし、三味線もうまくないが、踊りが得意(これは吉弥の言った通りを信....
深夜の市長」より 著者:海野十三
。それでは夕刊売りの千代子は、マスミの妹なのだろう。道理で、何処かで見覚えのある顔立ちだと思っていた。とにかくその四ツ木鶴吉のところへは、近いうちに会いにゆくつ....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
掻いている。薫だ。薫は小初よりずっと体は大きい。顎や頬が涼しく削げ、整った美しい顔立ちである。小初はやにわに薫の頸と肩を捉えて、うす紫の唇に小粒な白い歯をもって....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
である。しかし、現在見るところのX夫人は葉子の眼にも全く美しかった。デリケートな顔立ちのつくりに似合う浅い頭髪のウェーブ、しなやかな肩に質のこまかな縮緬の着物と....
少年探偵長」より 著者:海野十三
、顔色の赤いことや鼻柱の高いことなどから見て、スペイン系の人のようであった。彼の顔立ちは整っていたが、どうしたわけか、おそろしい刀傷のあとが、額の上から左眼を通....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
娘の顔を見て、私の心臓は少し動悸をうった。それはバーバラという非常に日本人に近い顔立ちの娘で、昨日から私の目について、望郷病らしいものを感じさせられたのであった....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
逞しくして居る間、逸作は二間|程離れておとなしく取引きである。逸作のような端正な顔立ちには月光の照りが相応しそうで、実は逸作にはまだそれより現世に接近したひと皮....
星女郎」より 著者:泉鏡花
隔ったが、翳せばやがて掌へ、その黒髪が薫りそう。直ぐ眉の下に見えたから、何となく顔立ちの面長らしいのも想像された。 同時に、その傍のもう一人、瞳を返して、三造....
」より 著者:秋田滋
た。背丈のたかい、鳶色の頭髪をした好男子で、いかにも実直そうな顔をしており、その顔立ちにはどことなく凛としたところがあって、何かこう思い切ったことをやりそうな眼....
車中有感」より 著者:上村松園
た。 こういう新しい型の髪が、心ある美容師によって考案されたのであろうが、姉の顔立ちと言い、妹の顔立ちと言い、横から眺めていると、天平時代の上※をみている感じ....
楠公夫人」より 著者:上村松園
像でも――と探してみたがこれも入手出来ず、 「久子夫人という方は、一体どのような顔立ちの方であったろう?」 そんなことを案じているうちに、一年はすんでしまった....