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顔面神経
「顔面神経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔面神経の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
まさに心配をもってはちきれんとしている。時々その団子っ鼻がぴくぴく動くのは心配が
顔面神経に伝《つたわ》って、反射作用のごとく無意識に活動するのである。彼は大きな....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
かは判らぬけれど、再び中佐が姿をあらわしたときには、非常な決心をしているらしく、
顔面神経がピクピク動いているのが、廊下灯によって写し出されたほどであった。このと....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ごろであった。庸三はまだ全くは眠りから覚めないような気分で、顔の腫れぼったさと、
顔面神経の硬張りとを感じながら、とにかく居住いを正して煙草を喫かしていた。 脊....
「旅からのはがき」より 著者:水野葉舟
それから、実に寒い。まだどこを見ても雪ばかりだ。目が痛いようだ。僕どうしたのか、
顔面神経痛にかかったらしい。右の半面が痛んでならない。やはり寒いせいだろう。 ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
あった。彼は、自分には大分大き過ぎる、博士の着るくらいの大きさの衣服を着ていた。
顔面神経はまだ生きているもののように動いていた。が生命は全くなくなっていた。そし....
「四十八人目」より 著者:森田草平
きだしてしまった。 「いや、そうでない、そうでない!」と、小平太はさも苦しそうに
顔面神経を引釣らせながら、ようよう口を切った。「この前来た時、お前に未練があって....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
が二人ばかり棍棒か何かを持って集まって行った。うちの書生の一人に堀というのがいて
顔面神経の痲痺していた男であったが、その男に私も附いて行ったことがある。すると切....
「笑について」より 著者:岸田国士
ております。それに違いありませんけれども、心理学では、これを逆に、笑うというのは
顔面神経の硬直によつて筋肉が痙攣を起すからだ。つまりおかしいから笑うのではなく笑....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
すッこけて、色の褪めた壁紙のような沈んだ顔色をした、二七、八の青年である。ひどい
顔面神経痛で、時々、ギクシャクと頬を痙攣《ひきつ》らせる。狂信者によく見る、おれ....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
された。彼の変り果てた様子にまず一驚を喫してしまったのである。すっかり憔悴して、
顔面神経痛ででもあるように、絶えず眼と口を引きつらしている。 私は久々の挨拶も....