顔面筋[語句情報] » 顔面筋

「顔面筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔面筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
。幸か不幸か、仏蘭西語は僕には何のことやら薩張り意味が判りません。唯三人の将校の顔面筋肉が段々と引きしまって来て、其の顔色は同じように蒼白化し、其の下唇は微かに....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
OAKの技術部に勤めてます」 「JOAK! アノ放送局の技師ですか」大江山警部の顔面筋肉がピクリと動いた。 「そうです、どうかしましたか」 「『ラジオの日本』と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
という足なみでもなく、そうかといって、退屈しきって、所在なさに、四肢の置き場と、顔面筋肉とを、無意味に変化させてみようというのでもない。動いてはじめて存在が知れ....
清修館挿話」より 著者:林芙美子
りとなつて谷村さんの前に立つていました。 心静かであるべき筈なのに、谷村さんの顔面筋肉はピクピクして、胸はコトコト鳴り出しました。 「もう三週間以上にもなりま....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ござんせんか。あっしゃアこのお裁きには、承服できねえ」 「なんだと?」 左膳の顔面筋肉がピクピクうごいて、左手が、そっと、うしろの枯れ枝の刀かけへ……。 「も....
ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
」をよく知っているという事は、単に音響だけの記憶を意味するのではなくて、話す人の顔面筋肉のあらゆる微細な運動の視像と一つ一つの言語と結び付いたものの綜合的記憶を....
書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
艦長や司令官なども彼女のうちの一微粒子となり、「皇国の興廃……。」の信号も彼女の顔面筋肉の僅なおののきに過ぎなくなり、ただ彼女の姿だけがそこに現われるのだった。....
波多野邸」より 著者:豊島与志雄
は、少しく酔っていたし、室は薄暗かったが、それでも、彼はあまり口を利かず、これが顔面筋肉の自然の姿態だというようなぼんやりした微笑を浮べていた。後になって、彼の....
次郎物語」より 著者:下村湖人
しかに普通ではなかった。骨にぴったりとくっついたような、青白い、つるつるに光った顔面筋肉が、唇を中心にびりびりとふるえており、その眼は塾生たちのほうを見つめて凍....
九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
られるために生みつけられた特別製の素材であった。其上に舞台上の修練によるあらゆる顔面筋の自由な発達があった。すべてが分厚で、生きていて、円融無礙であった。 団....
」より 著者:岡本かの子
種の苦悶症となって京子を襲った。倉皇としてそむけた京子の横顔から血の気が退いて、顔面筋の痙攣が微かに現われた。椿を突いた京子の右の手は其の儘前方に差し出たなり、....
丸の内」より 著者:高浜虚子
は生え、目は落窪んでいたため、私であることは気づかなかったのであろう。それに氏の顔面筋肉は引きしまり、何事かを沈思しているように見えた。幸いに火災は免れたけれど....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
いまだ牧野吉晴君が青年画家で、即興の浪曲自伝を唸り、夭折した詩人の宮島貞丈君は、顔面筋肉を伸縮させるだけの百面相を演り、大河内から栗島すみ子、酒井米子まで巧みに....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
対する市吏員の尊敬と趣味は大変なものであった。みな伯爵や子爵の友人になった悦びを顔面筋に現わして、総同盟罷工のことも忘れてハシャイでおった。 殿様たちの帰った....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
ではないが、トロトロと長く糸を引くやつを、一筋舌の上に乗せ、無上の味覚に陶酔し、顔面筋肉は、心の愉悦を表現して、やや弛緩する。そのころ、燗酒ひと口、ぐっと呑み干....