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「顔馴染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔馴染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
えると、何か急に妹との間に谷あいの出来たことを感ずるのだった。 篤介は広子にも顔馴染《かおなじ》みのあるある洋画研究所の生徒だった。処女《しょじょ》時代の彼女....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
し》と話している言葉にも自《おのずか》ら明かであった。彼はその仲間が帰ってから、顔馴染《かおなじみ》の内弟子に向って、「恩地殿のような武芸者も、病には勝てぬと見....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
と、黙ってカッフェの入口にある帳場《ちょうば》の前へ勘定に行った。帳場には自分も顔馴染《かおなじ》みの、髪を綺麗に分けた給仕頭《きゅうじがしら》が、退屈そうに控....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
、――そんなことは何でも差支えない。しかし毎日汽車になど乗れば、一ダズンくらいの顔馴染《かおなじ》みはたちまちの内に出来てしまう。お嬢さんもその中《うち》の一人....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《こどもごころ》にも、その絵を売って金子《かね》に代えるのである、と思った。……顔馴染《かおなじみ》の濃い紅《くれない》、薄紫《うすむらさき》、雪の膚《はだえ》....
深夜の市長」より 著者:海野十三
て来たつもりで、例の白い瀬戸物の痰壺のところへとんで行くと、ちょこんと腰をかけ、顔馴染の誰彼の方を見てニヤニヤと歪んだ顔で微笑むのだった。――これで僕の役目は済....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
たのは、賊を追って、お茶の水の濠傍から、戸波研究所の地下道を突撃して行ったことで顔馴染の、参謀|草津大尉であった。 「まだ飛行機は見えないようですな」張り仆され....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
った!) と思ったが、もう遅い。 「政! 妙なところで逢うなア」 二人は予て顔馴染の警視庁|強力犯係の刑事で、折井氏と山城氏とだった。いや、顔馴染というより....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
うといかにもこじつけ話のように聞えるであろう。いくら千太郎がお婿さまに化けても、顔馴染の警官や、元の仲間の者にあえば、ひとめでモニカの千太郎がうまく化けこんでい....
流線間諜」より 著者:海野十三
現場に到着したので危く難をのがれることができた。 「オヤオヤ、これは帆村君」と、顔馴染の大江山捜査課長が赭い顔を現した。「お招きによってどんな面白い流血事件でも....
古狢」より 著者:泉鏡花
ると言う。その五年前、六月六日の夜――名古屋の客は――註しておくが、その晩以来、顔馴染にもなり、音信もするけれども、その姓名だけは……とお町が堅く言わないのだそ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
その教会の入口のところに「浄めのお水」をかける老人がいた。二人はやがてこの老人と顔馴染になってしまった。聞けば、この老人も悲しい悲しい身の上ばなしを持っていた。....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
形を見つけて、吃驚して、さらさらと刻んで飛ぶと、いつもお参りをかかしなさらない、顔馴染の近常さん。抱いて戻って、介抱をしたあとを、里へ……人橋かけるじゃあなし、....
妖影」より 著者:大倉燁子
に散歩している西洋人の後姿が見えていた。 私も起きると直ぐ甲板を散歩した。段々顔馴染みの人が出来てきて、出会う度にお互に声をかけるようになった。私は何となくか....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
は新聞以外でも見ているので、何となく親しみを持てた、先方は知らなくても、こっちは顔馴染みなので、初対面の人に面会に行くような気はしなかった。 本庄はなるべく好....