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顕著
「顕著〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顕著の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
隔のあることを感じ、現在においてはそれがブルジョアとプロレタリアの二階級において
顕著に現われているのを見るという前提を頭に描いて筆を執ったものだ。そして僕の感ず....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
き生活の上に復帰しようとは、誰しも考えぬところであろう。文芸の上に階級意識がそう
顕著に働くものではないという理窟は、概念的には成り立つけれども、実際の歴史的事実....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
、噴出物の灰は、今もどんどん落下して、地上に堆積しつつある。だから、今後それほど
顕著な気温降下はないと思う。それに地殻の変動によって、大地の温度がうんと上昇して....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
一〇〇〇年の間における所得はその以前の有史時代全部を通じての所得に比べてはるかに
顕著なものであると断言しても差支えはないであろう。最後にまた、今から一〇〇年以前....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
後、急速に国家連合の時代に突入して、今日では四つの政治的単位になろうとする傾向が
顕著であり、見方によっては、世界は既に自由主義と枢軸の二大陣営に対立しようとして....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
関係も同じ理由で、そこに争われない差別があるであろう。とくに夫婦の関係などは最も
顕著な相違がありはすまいか。夫婦の者が深くあいたよって互いに懐しく思う精神のほと....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
ると貞雄は静かに妾の傍へよって来て、 「これで診察は終ったよ。君は母性欲が今日は
顕著な曝露症の形で現れていたと思う」と笑いもせず云ってのけた。「精しいことは、あ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
した。建物十七、八棟が倒壊、死者二百名、傷者三百名ということだった。 次の被害
顕著なるところは荏原区であったが、これは前者にくらべるとたいしたことはない。しか....
「大脳手術」より 著者:海野十三
するだろうと思われる。 なおこの手記は極めて興味あるものであって、患者の脳症を
顕著に示しているが、しかし氏が斯る患者であるとの予備知識なくして一読するときは、....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
「海を越えて」の音盤! その音盤をかけながら、音叉をぴーんと弾くと、音楽以外に
顕著な信号音が、或る間隔をもって、かーんと飛び出してくるのであった。音叉を停めれ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
だ。その上に、月世界が近くなって、その方の引力が、地球の重力とは反対に目に見えて
顕著になり始めた。つまり一切の物体が非常に軽くなったような勘定だ」 魚戸は、科....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
申合わせて三人とも、青と白と綯交ぜの糸の、あたかも片襷のごときものを、紋附の胸へ
顕著に帯した。 いずれも若い、三十|許少に前後。気を負い、色|熾に、心を放つ、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
りて一の実在であり、一の人格であり、その性情は、私が地上で接触する人間と同様に、
顕著なる一つの輪廓を有っていた。 『そうする中に、通信は他の人格からも送られるよ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
与え、非常な影響をわが思想界に及ぼしたのである。それで、日露戦争後は個人の自覚が
顕著となり、狭隘《きょうあい》なる愛国心よりたちまち目醒めて、世界的の広大なる精....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
軍は未だにドイツ流の直訳を脱し切っていない。例えば兵営生活の一面に於ても、それが
顕著に現われている。服装が洋式になったのは、よいとしても、兵営がなお純洋式となっ....