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「願い出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

願い出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の約があった、津崎左近《つざきさこん》と云う侍も、同じく助太刀《すけだち》の儀を願い出した。綱利は奇特《きどく》の事とあって、甚太夫の願は許したが、左近の云い分....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の武士のうちから然るべきものをすぐり出そうとしていると、それを洩れ聞いて、第一に願い出たのは三浦介義明であった。 三浦は東国の生まれである。老年ではあるが、弓....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
いたのです。 一方、兄の急死によって陰鬱さを増した赤耀館では、雇人が続々と暇を願い出ました。嫂も百合子も、盛んに慰留しましたが、彼等はどうしても止まろうとは申....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
津田白亭が半歳程前にこの岳陰荘を買入れた事、最近川口と二人で岳陰荘の使用を白亭に願い出たところが快く承諾を得たので、当分滞在のつもりで三人して先刻ここへ着いたば....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手がかりもなかった。茂原には市次郎という弟があって、それがすぐに兄の仇討を屋敷へ願い出た。 かたき討は許可された。しかし表向きに暇をやることはならぬ、兄の遺骨....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
で最期の用意にかかったが、見届けの役人にむかって最期のきわに一曲の笛を吹くことを願い出ると、役人はそれを許した。 笛は石見弥次右衛門から譲られたものである。喜....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
して、あちこち歩き廻って来たことなぞは知らん顔をして警察本部へ行ってドイツ行きを願い出た。その許可がなければ、ドイツ領事にヴィザを願い出ても無駄なのだ。 警察....
獄中記」より 著者:大杉栄
準備をしなければならぬと思って、二カ月に一回ずつしか許されない手紙や面会の臨時を願い出ても、典獄や看守長はそんなことをしても無駄だと言わんばかりのことを言って、....
沈没男」より 著者:海野十三
とが出来る筈である。 前方にハリッチ市が見えてきた。あれこそ、余が最初、派遣を願い出でたるハリッチ海軍根拠地のあるところであった。わが照国丸は、ドーヴァを越え....
火星兵団」より 著者:海野十三
り蟻田老博士は、今では名誉教授ではないのだ。博士は、さきごろ名誉教授をやめたいと願い出て、ゆるされたのだ。 そういうことにはなっているが、その実蟻田老博士は、....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
こんでいた長谷部大尉は、それにぜひとも参加をさせてくれるようにと、艦長のところへ願い出でた。 艦長は、眉をぴくりと動かして、 「捜索隊は出さぬことになった」 ....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
その名をお筆というのであると自分の口から話した。幕府が瓦解の後、久住は無禄移住を願い出て、旧主君にしたがって駿府(静岡)へ行ったので、陪臣の箕部もまたその主君に....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
らねえ機関も御座いますから、再調べの役目を私奴にお云附け下せえまし」と中間市助が願い出た。 「なる程、それはそうだ。ではも一度調べて見てくれないか」 こいつも....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
しまいます。しかし、文句の倹約は、殿様|直々のお触出しですから、今さら、もとへと願い出も出来ません。窮した結果が、次のように掛け声を改めました。「はじめは倹約え....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
ないでしょうか? たとえば有難い祝詞を上げてやるとか、そういうやりかたで何とかお願い出来ないものでしょうか』 私は新生寺さんの心持がよく分りました。彼は決して....