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願人坊主
「願人坊主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
願人坊主の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
顔《じきさんがお》の横柄《おうへい》な構えをしているかと思うと、そのこちら側には
願人坊主の講元があるといったような、士、工、商、雑居の吹き寄せ町で、そのごちゃご....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
きながら、泣きなき歩きつづけました。――十軒店《じゅっけんだな》を左に折れて俗称
願人坊主の小路といわれた伝右衛門《でんえもん》横町、その横町の狭い路地をどんどん....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
、三軒置いて隣りの坑夫をちょいと顎《あご》でしゃくった。するとこの相図を受けた、
願人坊主《がんにんぼうず》が、入れ替ってこんな事を云った、 「僕だなんて――書生....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の。清い尊いお志を。たより縋りに遣りたい考え。五厘一銭、藁一筋でも。多寡は厭わぬ
願人坊主じゃ。頭たたいて頂きまする……チャカポコチャカポコ……
▼あ――ア。ア....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
代吉の足音が、ひたひたするだけで、谷の夜空は、猫眼石から黒曜石に変化した、焼岳の
願人坊主のような頭が、夜目にも、それと見えたので、心おぼえの橋が近いと思った、星....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
頃、ひそかに研究した人の説によると、彼は農民よりもなお賤《いや》しい、乞食の徒、
願人坊主《がんにんぼうず》、ささら売りの成上りだということであります」 「ははあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
渡って姫稲荷《ひめいなり》のところへ来ると、そこにまた人だかりがあります。見ると
願人坊主《がんにんぼうず》がチョボクレをうたっている。 本来、
願人坊主はチョボ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
ったことがなく落胆したものだった。 物売りの部へ入れるのは妙だが、神田橋本町の
願人坊主にも、いろいろ面白いのがいた。決してただ銭を貰うという事はなく、皆何か芸....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ちうらにあたっている。以前《もと》は、日本橋区の松島町とおなじ層の住民地で、多く
願人坊主《がんにんぼうず》がいたのだそうだ。附木を造って売ったから附木店の名があ....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
り。 『火屋《ひや》でもいいからもう一杯』のサゲの前、炎々たる火焔にのた打ち廻る
願人坊主を、それ、物の怪が憑きにけるぞとて、棒押っ取りて打ち叩く火夫の姿は、いと....