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顛落
「顛落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顛落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
学校新築落成式を挙げし当日、廊《ろうか》の欄《てすり》が倒れて四五十人の児童庭に
顛落《てんらく》し重傷者二名、軽傷者三十名との珍事の報道である。 「大変ですね。....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ならぬ古高新兵衛の脇腹に、はッしと命中いたしました。 ために古高新兵衛はドウと
顛落《てんらく》落馬したことは勿論のこと、そのまに危うく難を避け得た黒住団七が凱....
「名人伝」より 著者:中島敦
ん》とした家の中から奔《はし》り出てまともに額《ひたい》を打ったので、覚えず外に
顛落《てんらく》したと白状した盗賊《とうぞく》もある。爾来《じらい》、邪心《じゃ....
「野狐」より 著者:田中英光
を飲みはじめ、夜中の三時ごろになって、やっと、わが家に帰った。 帰る途中、畑に
顛落して、つき指をしたり、苦心惨憺、やっとの思いで妻子のもとに帰ったのだが、妻は....
「李陵」より 著者:中島敦
引いた李陵は、突然背後から重量のある打撃を後頭部に喰《くら》って失神した。馬から
顛落《てんらく》した彼の上に、生擒《いけど》ろうと構えた胡兵《こへい》どもが十重....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
に消え去ってしまうとともにあらゆる困難が続出して来て、映画芸術は高い山から谷底へ
顛落した。そうしてその第一歩からもう一ぺん新しく踏み出さなければならないことにな....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
ことにして実は指先でちょいとついたのだった)、たちまち旦那様をベッドの上から下へ
顛落させたのだった。 「わーあ、な、な、なにごとじゃ」 「どうもすみませんでござ....
「もくねじ」より 著者:海野十三
ってぼくを放送機にとりつけたのであった。だからぼくは当然今のようなみじめな境界に
顛落することは、始めから分り切っていたのである。間違った幸福をよろこんでいたぼく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
捕まえてくれるか、そうでなければ馬め自身が行詰るところまで行って、立往生するか、
顛落《てんらく》するかよりほかはないものだ――ただ、往来|雑沓《ざっとう》の町中....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人は進んでいるのだか、退いているのだかわからない、ああ、危ない、あの崖、あそこへ
顛落《てんらく》した以上はもう助からない! その時に、弁信の頭の上の空中から、....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
値を持っている。しかしながら、それほど独自の価値を持たない非文学的文学は結局一の
顛落に過ぎない。そしてこの
顛落から文学を救って、文学として価値を持たせるには、新....
「陳情書」より 著者:西尾正
折一度経験してそれ以来更に見なかった硬直発作を起し、仰向け態《ざま》に泡を吹いて
顛落し、其の儘意識を失い、其の夜は肝心の疑惑を晴らす事が不可能に終ったのでありま....
「三重宙返りの記」より 著者:海野十三
のような大地であった。いつの間にか機首を下にした機は、次の瞬間、どどどっと奈落に
顛落する……。 特殊飛行中、僕は特に頭を下げて、自分のからだに、今如何なる苦痛....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
上るようになさっていた――しかし、何時かのこと、奈落へ下りる時、後見の不注意で、
顛落した――怒に燃えた半四郎が、男を責め折檻した。その男は、自分の過失とは云え、....
「学界の純粋支持者として」より 著者:戸坂潤
くとなると、この羨しさは忽ち抑えがたい不平に転化せざるを得ない。 大学は如何に
顛落しても、まだ本が豊富であることにはあまり影響が及んでいないらしい。この人的学....