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「顫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
傷《いたで》に唸《うめ》く声を聞ける白糸は、戸口に立ち竦《すく》みて、わなわなと《ふる》いぬ。 渠はもとより一点の害心だにあらざりしなり。われはそもそもいか....
高野聖」より 著者:泉鏡花
蛭の死骸《しがい》を引《ひっ》くりかえした上から、五六|間《けん》向うへ飛んで身《みぶるい》をして突立《つッた》った。 人を馬鹿《ばか》にしているではありま....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
白い。もの言わず念願する、娘の唇の微に動くように見えるから。黒|ゝゝでは、睫毛のえる形にも見えない。見えても、ゝと短いようで悪いから、紙|費だけれど、「 ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
静寂のうちに消えてしまった。笛や羯鼓や竪琴の音も絶えて、七絃琴は糸が切れたようにえてきこえた。一座ただ沈黙あるのみであった。 「あなたは言いたくないのですか。....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
風から覗きまして、 (家中無事か。)おお、厭だ!」と寂しげに笑ってお幾婆さんは身をした。 「その中親が亡なって代がかわりました。三人の兄弟で、仁右衛門と申しま....
黒百合」より 著者:泉鏡花
」 「厭だ、私は、」と薄気味の悪そうな、悄げた様子で、婦人は人の目に立つばかり身をして黙った。榎の下|寂として声なし、いずれも顔を見合せたのである。 ....
」より 著者:秋田滋
な行為を傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟した。忿怒の身いが傍聴人たちの間をつたわって行った。論告を了って検事が着席すると、 「死刑だ....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
界なのだ。記憶は既に生存していないものに生命をあたえるのだ。 私の手はワナワナえた、眼はくもってしまった。だが私は彼がその手紙の中で語っている一部始終を読み....
初雪」より 著者:秋田滋
年よりも一しお厳しい、一しお身に浸みる寒さが、絶えず彼女を悩ました。彼女は寒さにえる手を燃えさかる焔にかざした。燃えあがっている火は顔を焦すほど熱かったが、氷....
寡婦」より 著者:秋田滋
いますわね」 老嬢は面をあかく染めた。と思うとその顔はさッと蒼ざめた。それからえを帯びた声で云うのだった。 「これはねエ、とてもお話しする気になどなれないほ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
いた。その男は、浄めのお水をかける道具に指を触れた。そこで、老人は、手がぶるぶるえるので、聖水を雨のように地面にこぼしながら、そッと呼んでみた。 「ジャンじゃ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
むず歩く。足は、行きたい、そういう場面が見られる処へ行きたいという慾望でぶるぶるえる。手を這う。手は殺したい慾求でわなわな震える。それは、自由な、何よりすぐれ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
尻をまくった鯰の伝六を真先に、若者の立去ったあとで、口惜い! とばかりぶるぶるとえて突立ったが、愛吉は血だらけになっていたのである。 築地|明石町に山の井|....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
その霧に、そろそろ近くなって来る朝の灰色の光が雑って来る。寒い。体じゅうが微かにえる。目がいらいらする。無理に早く起された人の常として、ひどい不幸を抱いている....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
し、驚愕|譬えようがないといった風に慌てて枝を離れて、一声高く鳴き声を山中の気にわして矢の如く飛び去ってしまう。彼は鳥類の中でかなり臆病なたぐいの一つである。....