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「顰蹙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顰蹙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
った。今の道徳からいったら人情本の常套の団円たる妻妾の三曲合奏というような歓楽は顰蹙すべき沙汰の限りだが、江戸時代には富豪の家庭の美くしい理想であったのだ。 ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
の上に間断なくニタニタ笑いながら沼南と喃々私語して行く体たらくは柩を見送るものを顰蹙せしめずには措かなかった。政界の名士沼南とも知らない行人の中には目に余って、....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
代の大進歩である。 文学も亦一つの職業である。世間には往々職業というと賤視して顰蹙するものもあるが、職業は神聖である。賤視すべきものでは無い。斯ういう職業を賤....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ナ説があったものと見える。当時、戯作者といえば一括して軽薄放漫なる※々者流として顰蹙された中に単り馬琴が重視されたは学問淵源があるを信ぜられていたからである。 ....
四十年前」より 著者:内田魯庵
ラの美くしい旋律が行人を誘って文明の微醺を与えた。今なら文部省に睨まれ教育界から顰蹙される頗る放胆な自由恋愛説が官学の中から鼓吹され、当の文部大臣の家庭に三角恋....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たのである。一五九八年が明けたばかりの冬の日々、浮気の数々が噂にのぼり、いずれも顰蹙ものであった。彼がエリザベス・サウスウェル女史に子を産ませたことは有名な話で....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
その筆鋒は辛辣を極め、用語野卑にして文壇の礼義に戻るもの多く、為に甚だしく学界の顰蹙を招くべき事についても、あえて顧慮する程の余裕がなかったのであった。所謂目暗....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
。欧米人をやたらに有難がり、一から十まで外人の所作事真似事風習は、心ある者をして顰蹙せしめているが、洋食に砂糖気のないことには気付かないのか。日本人は、ライスカ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
わりに御前へ出そうと、心組んでいた折柄だったので、陣十郎の横恋慕は、家内一般から顰蹙された。 自然冷遇されるようになった。 冷遇されるに従って、いよいよ陣十....
女生徒」より 著者:太宰治
うで、気持がわるい。これからは、気をつけよう。ひとの下品な歩き恰好《かっこう》を顰蹙《ひんしゅく》していながら、ふと、自分も、そんな歩きかたしているのに気がつい....
惜別」より 著者:太宰治
さっき言ったように、おなじ羽色の烏が数百羽集ると猥雑に見えて来るので同類たがいに顰蹙し合うに到る、という可笑しい心理に依るのかも知れないが、自分もやはり清国留学....
善蔵を思う」より 著者:太宰治
と皆は、あの隅のほうにいる酔っぱらいは薄汚いやつだ、と内心不快、嫌悪の情を覚え、顰蹙なされていたに違いない。私は、それを知っていたが、どうにも意志のブレーキが、....
如是我聞」より 著者:太宰治
いは義絶も思い設け、こんなことは大袈裟とか、或いは気障とか言われ、あの者たちに、顰蹙せられるのは承知の上で、つまり、自分の抗議を書いてみるつもりなのである。 ....
」より 著者:太宰治
さえ、鼻をつまんで読んだ事があります。女のひとは、ひとりのこらず、貴下を軽蔑し、顰蹙《ひんしゅく》するのも当然です。私は、貴下の小説をお友だちに隠れて読んでいま....
花吹雪」より 著者:太宰治
山椒魚に熱中して大損をした時の事を報告し、世の賢者たちに、なんだ、ばかばかしいと顰蹙せられて、私自身も何だか大損をしたような気さえしたのであるが、このたびの先生....