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顱
「顱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、腹掛の色が褪せ、三尺が捻じくれて、股引は縮んだ、が、盤台は美い。 いつもの向
顱巻が、四五日陽気がほかほかするので、ひしゃげ帽子を蓮の葉かぶり、ちっとも涼しそ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
へし折って噛りながら、縁台の前へにょっきりと、吹矢が当って出たような福助頭に向う
顱巻。少兀の紺の筒袖、どこの媽々衆に貰ったやら、浅黄の扱帯の裂けたのを、縄に捩っ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
四辺が静かで他には誰もいなかった所為であろう。そうでないと、その皺だらけな額に、
顱巻を緩くしたのに、ほかほかと春の日がさして、とろりと酔ったような顔色で、長閑か....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
では、二人の漁夫が、横に寝た大魚をそのまま棄てて、一人は麦藁帽を取忘れ、一人の向
顱巻が南瓜かぶりとなって、棒ばかり、影もぼんやりして、畝に暗く沈んだのである。―....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
きらぼうに古女房が答えた。 「ああ、かっぱ。」 「ほほほ。」 かっぱとかっぱが
顱合せをしたから、若い女は、うすよごれたが姉さんかぶり、茶摘、桑摘む絵の風情の、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
えば可いとして、船頭やい、船はどうする、と嘉吉が云いますと、ばら銭を掴った拳を向
顱巻の上さ突出して、半だ半だ、何、船だ。船だ船だ、と夢中でおります。 嘉吉が、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。 音が、かさかさと此方に響いて、樹を抱いた半纏は、梨子を食った獣のごとく、向
顱巻で葉を分ける。 「気を付きょうぞ。少い人、落ちまい……」と伸上る。 「大丈夫....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
八九年｜前晩春の頃、同じこの境内で、小児が集って凧を揚げて遊んでいた――杢若は
顱の大きい坊主頭で、誰よりも群を抜いて、のほんと脊が高いのに、その揚げる凧は糸を....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
て、狭い卓子を囲んだから、端から端へ杯が歌留多のようにはずむにつけ、店の亭主が向
顱巻で気競うから菊正宗の酔が一層｜烈しい。 ――松村さん、木戸まで急用―― ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
衒奇、表異、いささかたりとも軽佻、諷刺の意を寓したりとせらるる読者は、あの、紫の
顱巻で、一つ印籠何とかの助六の気障さ加減は論外として、芝居の入山形｜段々のお揃を....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
「どの店にも大きな人形を飾ってあるじゃないか、赤い裲襠を着た姐様もあれば、向う
顱巻をした道化もあるし、牛若もあれば、弥次郎兵衛もある。屋根へ手をかけそうな大蛸....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は薄い頭髪を茶筌に結っていましたが、幽界で私の許に訪れた時は、意外にもすっかり頭
顱を丸めて居りました。私と異って祖父は熱心な仏教の信仰者だった為めでございましょ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
住居は、千石の邸の構で、大分｜懇にもてなされた。かこい網の見物に（われは坊主頭に
顱巻して）と、大に気競う処もあって――（鰯、鯖、鰺などの幾千ともなく水底を網に飜....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
そう、鮭の天窓を刻むようにぶりぶりするこたあねえ、なぐり込に来たのなら、襷がけで
顱巻よ、剃刀でも用意をしていらあ。生命に別条はねえんだから騒ぐにゃあ当らねえ、お....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
晩に店立てをくったんで、寝処がない。褌の掛がえを一条煮染めたような手拭、こいつで
顱巻をさしたまま畳み込んだ看板、兀げちょろの重箱が一箇、薄汚え財布、ざッとこれで....