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風の気
「風の気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風の気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ました。家のあかりもまた一軒一軒と消えていって、ふわり、ふわりとえり首をなでる夜
風の気味わるさ、ぱったりと人影もなくなりました。 もうそろそろ合い図があっても....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
い。取り澄ました警句を用いると、彼らは離れるために合い、合うために離れると云った
風の気の毒な一対《いっつい》を形づくっている。こう云って君に解るかどうか知らない....
「道草」より 著者:夏目漱石
なかった。溝を拵《こしら》えたものの方で、それを埋めるのが当然じゃないかといった
風の気分で何時までも押し通していた。里ではまた反対に、夫が自分の勝手でこの溝を掘....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
はならぬ。領事連との衝突が此の噂を生んだのだろう。 一八九二年一月×日 雨。暴
風の気味あり。戸をしめランプを点《つ》ける。感冒が中々抜けぬ。リュウマチも起って....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
を起して、張扇を二本右手に持ってヒョロヒョロと立上って来た。この頃から翁は軽い中
風の気味で、左足を引擦っていたのであるが、利彦氏が突飛ばされた拍子に投出した赤い....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
けに財産をことごとく失い、何もかも駄目になり、いまは崩れる土塀を支える力も無く中
風の気味さえ現われて来て、わななく手でさてもこの世は夢まぼろしなどとへたくその和....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
」と、例の台風との関係如何にあるのである。いったいラジオの気象通報で放送される台
風の気象学的な二重性から、如何にしてまた演芸放送で放送される日本国民的なナニワ節....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
であろうか――たった一人彼女を家へ招いた。歯ぎれのよい江戸っ子で、派手なアメリカ
風の気のきいた洋服をきており、顔立は西洋人形みたいだったから、母はこの娘が大へん....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
てゐたがツレアヒが生きてりやこんな不景気な店へオツトメなんぞに出やしない、私や中
風の気があつて手が自由をかきお酒をこぼしたりとんだソソウをやらかすことがあるから....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の防砂の竹林を越えるとすぐ、その砂州に出られた。川向いには山がせまって、何か支那
風の気韻のある美しい景色であった。 先生は読書に倦んではこの河原に歩きに出られ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
んもお元気ですか? ご主人は……?」という問いに、 「主人は、昨年からずつと、中
風の気味で、臥せつておりますんです。あたくしも、眼をひどく患いまして……こうして....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、これは鎌鼬《かまいたち》の仕業だということになった。 古いころから、人が通り
風の気にふれると、不意に皮膚が裂けて鎌形の傷がつき、甚《はなは》だしく出血して生....
「泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
などは奥さんの趣味でしょうか、大変粋でしたが、決して「吹き流し」といった江戸ッ児
風の気象ではなく、あくまで鏡花流の我の強いところがありました。 趣味としては兎....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
は腰掛へ坐るなり互いの肩を凭せ合って、疲れた鼾を掻き始めた。 湿っぽい夜更けの
風の気持好く吹いて来る暗い濠端を、客の少い電車が、はやい速力で駛った。生存が出来....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
いるわけではない。友愛の対象は唯の一人でなければならぬというような、モンテーニュ
風の気持ちは全く持たない。友人は多ければ多いほど楽しいものである。併し一人の友人....