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「風下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
と首から下を巻いて、白ペンキで塗った板囲いに身を寄せかけて立った、たたずんだ所は風下《かざしも》になっているが、頭の上では、檣《ほばしら》からたれ下がった索綱《....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
唄《うた》うもあり。風上にいる者は雨の飛沫《しぶき》を受けるだけで我慢もなるが、風下にいる連中は渦巻く煙に咽《むせ》び返って眼玉を真赤《まっか》にし、クンクン狸....
オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
しさにワナワナふるえている姫にこう云いました。 「この兵隊どもはみんな、この国の風下の町々から来た兵隊です。さっきから私たちがお話した声が風下の町や村へすっかり....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。彼は、防毒マスクをスッポリ被ると、すこしでも兄達の住んでいる方へ近づこうと、風下である危険を侵し、避難の市民群とは反対に、神保町から、九段を目がけて、駈け出....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
れがとても重く感じられた。その間にも火の子がうちへ入るので目は放されず、おまけに風下にいるので、七、八軒向こうの火勢がまともに吹きつけ、煙はもうもう、息をするの....
恐竜島」より 著者:海野十三
とは、人間の匂《におい》を恐竜の鼻に送ることになってまずい。だから風がかわって、風下になってから進もうというのだ。 船を岩と岩の間にはさませて、三人はしずかに....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
える太い鉄管は、海面すれすれまで下りている。重い毒瓦斯は、あの方へ排気するんだ。風下はベンガル湾だ。海亀とインド鰐とが、ちかごろ身体の調子がへんだわいといいだす....
大空魔艦」より 著者:海野十三
れをじっとみつめていた松川隊長は、 「橇犬にみつけられては、なにもならないから、風下からしのびこむことにする。この風で、風下からゆくのはつらいだろうけれども、ど....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
訓練を役立てるのは今日のためだった」 「武蔵野館の地下室へ逃げて下さーアい」 「風下へ行っちゃ駄目ですよオ、戸山ヶ原の方へ避難しなさアーい」 青年団員は、声を....
アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
やって来ました。 船は、すっかり方向がわからなくなってしまって、船長でさえも、風下のある島のかげへ来るまでは、どこをどう進んでいるのか、かいもくわからないとい....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
行った弓矢をダンチョンに手渡すや否や二人は小屋から飛び下りて、走る獣の中に混って風下の方へ逃げ出した。 三十三 恐怖に充ちた人間の叫びが背後の....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ものになりました。 後年のことですが、私の家の近くに火事が起こりました。一時は風下になり、もう危いから荷物を出すようにといわれました。この家は自分で建てたもの....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
突風に襲われると、二人ともややもすれば吹き倒されそうで容易に足が進まない。それで風下の右手の谷へ下りて、昨夜火光の見えた方向へ辿り行くことにし、そろそろ斜面を下....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ら百石につき二両ずつ上納させて救助復興の資金にあてた。 原駅は富士の南側だから風下の東側ほどひどい被害地には数えられなかったが、それでも大迷惑には違いなかった....
熟語本位英和中辞典」より 著者:斎藤秀三郎
n(ヤタガン)【名】回々教国の劔。 Y※w(ヨー)【自動】(船が)針路を逸する、風下に流される。【名】同上すること。 Y※一檣半の帆船型(小遊船に多し)。 Y※....