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風付き
「風付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
りじゃないのよ。その横顔をタッタ一目見ただけで、ヒドク貧乏臭い、ミジメな家の娘の
風付きに見えたのよ。お婆さんじみた猫背の恰好になってね。コンナ風に……」 「怪談....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
いたが、軌条の横の狭い砂まじりの赤土道を、汽車の来る方向に、さり気なく、気取った
風付きで歩いて行くようすである。 勢込んで来た私は、そうした女の態度を見ると、....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
。しかも、そうした前後の服装の態度の変化がチットも不自然じゃない。慣れ切っている
風付きを見ると、一筋縄で行く曲者じゃなさそうだ。二人の刑事が車掌台に頑張っていな....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に、やおら背後の華奢な籐椅子を振り返って、ソロソロと腰を卸したのであったが、その
風付きを見ると私は又、思わず眼を反らさずにはいられなかった。
初め、その籐椅子....
「斜坑」より 著者:夢野久作
を喰いに来るだけで、酒なぞ一度も飲んだ事のない福太郎のオズオズした坊ちゃんじみた
風付きに、お作の方から人知れず打ち込んでいたものらしい。去年の冬の初めに饂飩屋か....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
んでしたか」 「何か考え事に夢中になっている様子で、室の中に誰が居るか気が付かぬ
風付きでございました。そうしてぼんやりとした当てなし眼をしながらぶつぶつ独言を云....
「幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
クルクルと働きまわる男、機関長は理窟っぽいコルシカ人と聞いたが成る程、憂鬱そうな
風付きがどこやらナポレオンに似ていた。 それから水夫長は純粋のジョンブル式ビー....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
、どうも失礼しました」 ヒョッコリと私に向って頭を下げた。何のわだかまりもない
風付きで私にシャンパンのコップをすすめた。 「ありがとう御座います。しかし頂きま....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
川を渡るような足取で、ヒョロリヒョロリと往来を歩いているという、世にもモノスゴイ
風付きでしたが、更にモットモット不思議な事には、その男の凹んだ眼の底に、裸体か、....
「盗難」より 著者:宮本百合子
をして一々探索してあるく事が此上なく、面白かった。 命に別状さえなく、彼那嫌な
風付きにさえならないですむなら、たまには探偵も面白いだろうなどと思われた。 第....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は、曖昧《あいまい》な顔つきをし、怪しい独語を発し、悪いことをたくらんでいそうな
風付きであって、普通は昼間眠っているもので、それから推すと夜分に仕事をしてるもの....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
、今一度赤い唇をペロリと出して、大切そうに折り畳んで、懐中の奥に仕舞い込んだ。中
風付きみたような足取りでヨチヨチと元来た道へ歩き出しながらブツブツと口の中でつぶ....