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風前の灯火
「風前の灯火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風前の灯火の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
と云う二足の獣は何と云う情けない動物であろう。我我は文明を失ったが最後、それこそ
風前の灯火のように覚束《おぼつか》ない命を守らなければならぬ。見給え。鳥はもう静....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
さをもってIの年齢を指折り数え得るようになった」
「……………」
「T子の運命は
風前の灯火である。……T子はもうその頃までには、嘗て自分を中心として描かれたWと....
「微笑」より 著者:横光利一
の光線が気にかかった。それにしても、彼の云ったことが事実だとすれば、栖方の生命は
風前の灯火だと梶は思った。いったい、どこか一つとして危険でないところがあるだろう....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
士以下の救援隊の首脳部の心の痛みは、災害をちょくせつに身にうけてその生命もいまや
風前の灯火どうようの第六号艇の乗組員三十名よりも、ずっとふかく大きかった。 テ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
に腹匐いになっている帆村探偵をみつけました。 もう駄目です。帆村探偵の一命は、
風前の灯火も同様です。殺人光線が帆村の方にむけられ、そしてボタンがおされると、も....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
酒、一方は他の者が飲むように銚子を替えて持出しました。実に山三郎の命の危いこと、
風前の灯火のようでござります。 粥河圖書は丁寧に手を突きまして、 圖「そのお盃....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
に詰められた僕は、一人の雑役夫に担がれて、氷の島の岸へ運ばれた。 僕の生命は、
風前の灯火だ。 中国服の老人 雑役夫は、麻袋をいったん置くと、こんど....
「魔都」より 著者:久生十蘭
っている林謹直にこの卑賤極まる寝顔を見られてしまっている。加十の運命たるやまさに
風前の灯火なのである。
が、加十はそんな事は知らないから、ウゝムと伸びをすると....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ラウドンと衝突、適切機敏なる指揮に依りこれを撃破した。 リーグニッツの不期戦は
風前の灯火の感あった大王を救った。大王は一部をもって露軍を監視、主力をもってダウ....