風味[語句情報] » 風味

「風味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
壁も、トンネルの紅色の煉瓦も、燻されまた晒されて、すっかり原色を失い、これを舌の風味にしたなら裸麦で作った黒パンの感じだと鼈四郎はいつも思う。そしてこの性を抜い....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
も、全く以て真剣なんです。その証拠には、ここに持って参りましたる燻製見本を一つ御風味ねがいたい。これはわがアメリカ大陸にしか産しないという奇獣ノクトミカ・レラテ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
た。空腹の叔父はこころみに一つ二つを取って口に入れると、その味は甘く軽く、案外に風味のよいものであったので、これは結構と褒めた上で、遠慮なしにむさぼり食っている....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ると、彼は未来のベーコンの滑らかな肌が彫りだされているように思ったし、汁の多い、風味のよいハムを想像した。七面鳥も彼の眼には、うまそうに串ざしになって、砂嚢は羽....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
レンスクじゃ。ボゴヤーヴレンスクでは、行くたんびに乾草をくれるが、あすこの乾草は風味がよくない。だがほれ、ニコラーエフへ行くと――これはここから二十八露里もある....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、すぐに煎茶を振舞い、しかも、嫁が朝の間拵えたと、小豆餡の草団子を馳走した。その風味のよさ、嫁ごというのも、容色も心も奥ゆかしい、と戴いています。が、この嬉しさ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
郷近在のものまで語り伝えてわざわざ馬喰町まで買いに来た。淡島屋のでなければ軽焼は風味も良くないし、疱瘡痲疹の呪いにもならないように誰いうとなく言い囃したので、疱....
雑煮」より 著者:北大路魯山人
なると、焼きはぜなどよく贈られる家庭もあろうが、焼きはぜをだしに用いると、特殊の風味が出て楽しめる。 さて、いちばん肝要なのは、餅の焼き方である。昔から狐色に....
鱧・穴子・鰻の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
宜に熱飯の上に載せ、例のように醤油をかけて茶をかける。 これも、ややはもに似た風味があって美味い。しかし、はもと違って、あなごでもうなぎでも少々|臭みがあるか....
鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
どない。ところが、まぐろとか、てんぷらというものは、おろしのよしあしで、ずいぶん風味に大なる影響があるものである。てんぷらなどは畑から抜きたての大根のおろしがあ....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
ついて、もう一度繰り返せば、かき雑炊の粥は、サッと煮えたアッサリした粥が、かきの風味とよく合う。かきは煮過ぎないこと、せりは火からおろしてふりまぜること。その程....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
金沢のごりやなどでしばしば試みているが、星がれいに匹敵して、しかも格別という態の風味をもっていて、絶賛に価する。 今ひとつ格別のものに、北陸ではたらばがにの洗....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
のくちこは、東京には売っていない。自分たちは加州金沢から取り寄せるのである。この風味はちょっと他に類がない。このわたに似て、水分の多い目方の重いものであるが、卸....
筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
わち、それである。その味は出盛り季節の美味ではないが、これはこれで一種捨てがたい風味があって、充分珍重に価する。 しかし、筍も産地による持ち味の等差というもの....
小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
較べて、ウロコが食えない恨みがある。ウロコごと焼いて食べるあまだいは、また格別の風味を持つものであるが、興津にはそれが期待できない。 うるめの干もの、これは京....