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風来
「風来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
可うございます、私の方へお配分なすってくださるわけには参りませんか。 御存じの
風来者でありますけれども、早瀬が一生の恩に被ます。」 と拳を握り緊めて云うのを....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を落したが、その顔はセレナ夫人の方へ向けられていた。
「ところでセレナ夫人、その
風来坊はいずれ詮議するとして、時にこういうゴットフリートを御存じですか。|吾れ直....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
所もあろうにわが山門に、紛れ込んだる慮外者、熱に浮かされ夜な夜な歩く、夢遊病者か
風来坊か。風の通しのちと変挺な、その脳味噌に風穴一つ、明けて口惜しい手裏剣を、眉....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
山の上、松の空、桐の梢とある中に、わずかに百日紅の枝とすれすれな所を舞った。 大
風来い、大
風来い。 小風は、可厭、可厭…… 幼い同士が威勢よく唄う中に、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
……何しろ、きみは、ちっともその方に引っかかりはないのでしたね。」 「ええ、私は
風来ものの大気紛れさ、といううちにも、そうそう。」 中腰の膝へ、両肱をついた、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
めた。――ついてはだ。」 二十七 「――賛成だ、至極いいよ。私たち
風来とは違って、矢野には学士の肩書がある。――御縁談は、と来ると、悪く老成じみる....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
者は、しばらく放心したように立ち竦んでいた。なぜなら、これまで何の因縁もなかった
風来者に、どうして犯人としての、動機があるのであろうか。 「僕は、何よりも先に、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
面に向って指をならしてやるぞ。ほかのけちけちしている後援者どもにもだ。そうして、
風来坊の教師がやってきて、自分を仲間呼ばわりでもしようものなら、戸口から蹴とばし....
「キド効果」より 著者:海野十三
ったのだった。 ただし此の「岩」こと岩丘岩九郎はその物凄い腕前をもって、単なる
風来ギャングとしてでなく、或る有力者を脅迫し相当大ぴらに行動していた。それは、こ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
に君という人は吾々の周囲から、……生存出来ないことになるぜ! 世間には僕のような
風来坊ばかし居ないからね」 今にも泣き出しそうに瞬たいている彼の眼を覗き込んで....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
芸人に伍する作者の仲間入りを屑しとしなかったのは万更無理はなかった。馬琴に限らず
風来なぞも戯作に遊んだが作者の仲間附合はしなかったので、多少の見識あるものは当時....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
い手がなかったのであった。幼い時から村を出て樺太から九州の端までほっつき歩いた「
風来坊」――村人の表現――で彼はあったのだ。 「知らない土地へ行ったらあれでも夫....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
くれたもうなよ、私には一人の父親だ。」 鏨をば押頂き、確と懐中に挿入れた。 「
風来もので、だらしはないがね、職人の子だから腹巻を緊めている。」 と突入れつつ....
「西航日録」より 著者:井上円了
たるか、暑気の加わるに従い、融解して水のごとくなるを覚ゆ。二日雷雨起こり、三日清
風来たる。四日未明、シンガポールに着す。シャンハイよりホンコンまで海路八百海里余....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
「南米行途上日記」に譲る。欧州大陸旅行中の五絶は左に収録す。 八月遊歩去、樹下凍
風来。(那威行路所見) (八月には欧州の北に旅し、那の山には雪が幾重にも積もって....