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「風来人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風来人の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
何処《どこ》にいるだえ」 新「彼方此方《あちこち》と身の置き処《どころ》のねえ風来人間で仕方がねえが、是も皆《みんな》人に難儀を掛け、悪い事をした報《むくい》....
俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
とかいうものを固執して他流を排斥しあるいは罵詈するようなこともかなり多い。門外の風来人から見ると、どの流派にもみんなそれぞれのおもしろいところとおもしろくないと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだ、藤原家のお嬢様なるものの御面相を、全く知らない人でなければ出来ない仕事だ、風来人なればこそ出来る!」 と感歎するものもある。 「あのお嬢様が帰って来て、あ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことを言って慢心和尚が、与八の勧誘に補足をして村人を説得しているところへ、一人の風来人がやって来ました。 その風来人というのは、五十がらみ、小肥りに太った、笠....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
術のための芸術だって!……災なるかなだ。芸術というものは、いかなる賤《いや》しい風来人にも渡される賤しい餌《えさ》ではない。確かに一つの享楽であり、最も人を陶酔....
科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
科学は長足の進歩を遂げてその間口の広い事、奥行の深い事、既往の比でない。なかなか風来人が門外から窺い見てその概要を知る事も容易ではない。のみならずおのおの独立の....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
なにか思うところがあってやっているのか、それとも出鱈目《でたらめ》なのか、こんな風来人《ふうらいじん》のことだから、性根《しょうね》のほどはわからない。 中間....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
来る。 「いのち知らずめ」 と、ひとりが喚く。 「――一体うぬあ、どこから来た風来人だ。よくも、仲間のものを」 いっている間に、 「……ぐわッ」 斧を持っ....
三国志」より 著者:吉川英治
亡き父親から」 「なに」 「不孝の子をよく訓えてくれとな。……夢でだよ」 「この風来人め、詭弁をやめよ。あの匣の中には、つい近頃、磨がせたばかりの宝剣があるぞ」....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、監禁を命じ、吐雲斎のことは、さっそく鎌倉表へ問い合せを発したものの、そんな一|風来人の身元調査に、今どき、手間暇かけて返牒してくるはずもない。つまりは相互で忘....
来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
山の幸、海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し、住人にも一定の株が出来ては、他国者や風来人がやって来て、住み着こうとしても容易な事ではない。中には京都の北の八瀬の様....
どら猫観察記」より 著者:柳田国男
祇王祇女の如き猫が、有ろう道理は無いからである。 冬も暖かな羅馬の古都などは、風来人の自然の隠れ家であるのみならず、同時に又宿無し猫の楽土でもあった。此事はも....