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「風気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わざお出迎えにお越しなさったもので、しかしあいにくこのときは二、三日まえからのご風気でございましたために、ご名代となられたかたがいま申しあげた名宰相松平伊豆守様....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ずかに心のもしゃくしゃを紛らかした。 四 夕飯が終えるとお祖母さんは風気だとかで寝てしもた。背戸山の竹に雨の音がする。しずくの音がしとしとと聞こえる....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
かえつつあり。 八月二十六日 ◯昨二十五日、果して米軍機、監視飛行を始める。台風気味の低雲をついて、全身を鉛色に塗ったグラマン、二機以上の編隊でしきりに飛ぶ。....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
ておるのじゃ!」 「いえあの、な、泣いたのでは厶りませぬ。不調法御免下さりませ。風気の気味が厶りますので、つい鼻が、鼻がつまったので厶ります……」 「嘘をつけい....
古狢」より 著者:泉鏡花
て、静に瞼を合わせていた、お藻代さんの肌の白いこと。……六畳は立籠めてあるし、南風気で、その上暖か過ぎたでしょう。鬢の毛がねっとりと、あの気味の悪いほど、枕に伸....
変災序記」より 著者:田中貢太郎
水に洗われて物凄かった。 その日はいわゆる二百十日の前日であった。室の中には南風気の生温い熱気が籠って気味が悪かった。私はもう戸外を見るのも厭になったので、そ....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
。 世俗の怖れる二百|十日の前一日、二三日来の驟雨模様の空がその朝になって、南風気の険悪な空に変り、烈風強雨こもごも至ってひとしきり荒れ狂うていたが、今思うと....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ルドもブルックハルトもどこかで眠って居ります。すこしお待ち下さい。 きょうは颱風気味でつよい南風が吹き、空は嵐模様、北山は雲に隠見して紫色に美しゅうございます....
凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
がりその下へ北から来る寒風がもぐり込んでいるのだという事は、当時各地で飛揚した測風気球の観測からも確かめられている。そのために中層へは南方から暖かい空気が舌を出....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
にもし行いもするところのものは、いつも中庸であり、穏健である。ただその間に辛辣な風気が交ることがある。潔癖があったからである。それで思い切ったこともしかねない。....
次郎物語」より 著者:下村湖人
角な、眼玉の大きい、見るからに魁偉な感じのする、五十四五歳の人だった。いくぶん中風気味らしく、おりおり顎や手が変にふるえていたが、その大きな眼玉からは、人を射る....
魔都」より 著者:久生十蘭
るな、風邪がうつるぞ。話ならそこでも聞こえる」 次官は物々しく眉を顰め、 「御風気。おお、それは。では早速ドクトウルを」 加十は忌々しそうに、 「放って置い....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
丁目の角を左折して、日比谷の交叉点を突っきると、猛烈な勢いで三宅坂をのぼった。台風気味の強い風が、追風になっているが、車体はフワリともしない。 山岸芳夫は足も....
雑木林の中」より 著者:田中貢太郎
地があって、人煙の蕭条とした郊外であった。 それは夏の午後のことで、その日は南風気の風の無い日であった。白く燃える陽の下に、草の葉も稲の葉も茗荷の葉も皆|葉端....
それから」より 著者:夏目漱石
た。愈《いよいよ》となれば、家から金を取り寄せる気でいた。それから、本来が四辺の風気を換えるのを目的とする移動だから、贅沢《ぜいたく》の方面へは重きを置かない決....