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風聞
「風聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ただ、その男にも弟があって、やはり同じ主人に仕えるという事だけ、そののちかすかに
風聞された。
(大正六年四月二十日)....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の御内人《みうちびと》で、平太夫《へいだゆう》と申すものであろう。巷《ちまた》の
風聞《ふうぶん》にも聞き及んだが、そやつは日頃予に恨みを含んで、あわよくば予が命....
「或る女」より 著者:有島武郎
《みめかたち》は花柳《かりゅう》の人たちさえうらやましがらせた。そしていろいろな
風聞が、清教徒風に質素な早月の佗住居《わびずまい》の周囲を霞《かすみ》のように取....
「乱世」より 著者:菊池寛
失った。薩長の大軍が、錦の御旗を押し立てて今にも東海道を下って来るといったような
風聞が、ひっきりなしに人心を動かした。 桑名は、東海道の要衝である。東征の軍に....
「俊寛」より 著者:菊池寛
類追討に急がわしく、その上、俊寛は過ぐる治承三年に、鬼界ヶ島にて絶え果てたという
風聞さえ伝わっていたから、俊寛のことなどは、何人の念頭にもなかった。 ただ、故....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
フランシスが狂気になったという噂さも、父から勘当を受けて乞食の群に加わったという
風聞も、クララの乙女心を不思議に強く打って響いた。フランシスの事になるとシッフィ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
送りつけ、自分もその渦中に在る。つくづくその世界の有為転変を知るかの女は、世間の
風聞にもはや動かされなくなっているにしても、しかし、それを通じて風浪の荒い航行中....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
寄せるとか、或は猛勇で聞えた何某《なにがし》が向って来るとかいうことを聞いて、其
風聞に辟易《へきえき》して闘う心が無くなり、降参とか逃走とかに料簡《りょうけん》....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
治りますが、免れられぬ因縁で、その令室の夫というが、旅行さきの海から帰って、その
風聞を耳にしますと――これが世にも恐ろしい、嫉妬深い男でござんす。―― その変....
「死者の書」より 著者:折口信夫
。 「南家には、惜しい子が、女になって生れたことよ」と仰せられた、と言う畏れ多い
風聞が、暫らく貴族たちの間に、くり返された。其後十二年、南家の娘は、二十になって....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
でいるという噂もあるし、安福軒が家業の万国料理をホーテキして入れ揚げているという
風聞も伝わっている。教祖を阿二羅大夫人と云い、管長は三十ぐらいの弁舌さわやかな人....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
手を発見し、このお蔭で、黒の良かった碁がひっくりかえって、負けとなった。こういう
風聞が行われているのである。 だから、呉氏は、岩本本因坊の外出に断々乎として非....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
かし頭領は聞かれなかった。――近頃南洋のある国よりある地理書を城代まで献上致した
風聞じゃ。是非とも地理書を奪い取り、書かれた中身を一見せねばこの紋太夫胸が治まら....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
、秀平可。 とある。しかもまた十七日条には、 伝聞、秀平為。 などと都合のよい
風聞を記し、四月二十一日の条には、頼朝が秀衡の女を聚るべき約束をなし、いまだその....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
意をして居ると、ラサ府とセラとは僅かに一里半位しか隔って居らんところですからその
風聞がラサ府に聞えた。そこでパルポ商人は大いに驚き、自分の物も何も打棄って置いて....