風船[語句情報] » 風船

「風船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
い息をもらしました。同時にまた今まで大きかった腹は水素瓦斯《すいそガス》を抜いた風船のようにへたへたと縮んでしまいました。 こういう返事をするくらいですから、....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
づまってしまう。そう云う時は、ただでさえ小さな先生の体が、まるで空気の抜けた護謨風船《ごむふうせん》のように、意気地《いくじ》なく縮《ちぢ》み上って、椅子《いす....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うとう尻《しり》もちをついた。同時にまた脚は――と言うよりもズボンはちょうどゴム風船のしなびたようにへなへなと床《ゆか》の上へ下りた。 「よろしい。よろしい。ど....
宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
胴中やら、胸やら肩やら、そしてあの醜い首やらがむくむくと、まるで畳んであったゴム風船をふくらますように現われてきたではないか。自分の発明した器械であるとはいえ、....
追憶」より 著者:芥川竜之介
二三 ダアク一座 僕は当時|回向院の境内にいろいろの見世物を見たものである。風船乗り、大蛇、鬼の首、なんとか言う西洋人が非常に高い桿の上からとんぼを切って落....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
てみてびっくりした。それもそのはずであった。一片の雲もなき晴れた大空に、楕円形の風船みたいなものが浮かんでおり、そしてよく見ると、その風船みたいなものの中に、蟻....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の連中、場末から出る際商人。丹波鬼灯、海酸漿は手水鉢の傍、大きな百日紅の樹の下に風船屋などと、よき所に陣を敷いたが、鳥居外のは、気まぐれに山から出て来た、もの売....
」より 著者:池谷信三郎
地方へつなぐいくつかの停車場へ向けて送りだされていた。だから彼が、まるで黒いゴム風船のように、飄然とこの屋上庭園に上ってきたとて、誰も咎める人などありはしない。....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
|原でした。俗にこれを海軍原と呼んで海軍省所属の原でしたが、ここで海軍省が初めて風船というものを揚げました。なにしろ日本で初めてなのですから珍らしくって大した評....
良夜」より 著者:饗庭篁村
み論語をさえ講義し天下を経綸せんとする者が、オメオメと猿が手を持つ蟻が臑を持つの風船に乗って旅しつつ廻るのと、児戯に類する事を学ばんや。東京に出でばかかる事はあ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
の丘の上から天空を眺めて日を送っていた。女房が一人で袋張りをしたり、子供の玩具の風船をこしらえたりしていた。彼女はまだ三十そこそこらしく、都会の裏町で育った多く....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
焼屋のそもそもであった。 軽焼という名は今では殆んど忘られている。軽焼の後身の風船霰でさえこの頃は忘られてるので、場末の駄菓子屋にだって滅多に軽焼を見掛けない....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
を感じて、案外|与しやすい独活の大木だとも思い、あるいは箍の弛んだ桶、穴の明いた風船玉のような民族だと愛想を尽かしてしまうかも解らない。当座の中こそ訪問や見物に....
西航日録」より 著者:井上円了
ド洋の東端に出でて、アンダマン群島に沿ってベンガル湾に入る。その間、毎日快晴。涼風船上を払い、暑気大いに減ずるを覚ゆ。ことに毎夕、明月中天に懸かり、四面雲影を見....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。) 詩中二州とは、豪州と南アフリカをいう。 六月二十五日(日曜)、晴れ。軟風船に入りて清涼なり。暑気は前回赤道を横断せしときほどに強からず。天晴るるも空気....