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風見
「風見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「燕と王子」より 著者:有島武郎
とお引き留めになっておっしゃるには、 「今日は北の方に行ってもらいたい。あの烏の
風見のある屋根の高い家の中に一人の画家がいるはずだ。その人はたいそう腕のある人だ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た。殊にその建物は、塔といい、歩廊といい、窓の枠飾りといい、つばめの尾の形をした
風見にいたるまで、すべていちじるしい特長を示していました。 「あの日に照りかがや....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かにはいりました。その心は、古い荒れはてたはと小屋でした。ごていしゅの像がほんの
風見のにわとり代りにつかわれていました。その
風見は、小屋の戸にくっついていて、ご....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
彼の心は浮々していた。浮々しながらどんよりしたものに蔽われていた。曇り空の下の
風見車《かざみぐるま》に似ていた。それに自ら気付いた時、彼は考えるのを止めた。兎....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すると、毛布の下にかがまっていた子供は、そっと顔を覗《のぞ》き出す。屋根の上には
風見《かざみ》が軋《きし》っている。樋《とい》からは点滴《しずく》がたれている。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
聞えていた。空は真暗だった。街路には通る人もなかった。冷たい雨が落ち始めていた。
風見《かざみ》がきしっていた。隣りの家で子供が泣いていた。夜は重苦しい悲しみで地....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
言うところのものは、将来の天候ではなくて、現在の天候である。彼らは風の方向を示す
風見である。彼らは向きを変えるときには、自分が風の方向を変えさしたのだと思いがち....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
消えたり現れたりする所と云うのが、てっきりあの大矢車で――それも、クルクル早く、
風見たいな回り方をしているように見えるんだよ」 と次第に、お筆の顔の伸縮が烈し....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
明治四十年九月三十日『東京朝日新聞』) 十 新奇な
風見鴉 これは倶楽部あるいは宿屋の室内に粧飾用を兼ねて据え置き、時々刻々の風の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
と思われるほど、おぞましい、悪夢のような闇が始まったのである。 その――古風な
風見が廻っている岬の一つ家には、痩せてひょろ高い浜草が、漆喰の割目から生え伸びて....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ロト遊びをしていた。戸外では風が鎧戸に吹きつけて騒々しい音をたて、また古めかしい
風見を、独楽のように、からから※していた。そこで一同は、よく本などにあるように、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な緑色のガラスのような眼と、鷸の嘴のように長い鼻とがくっついているさまは、まるで
風見の鶏が、彼の細い首のうえにとまって、風の吹く方向を告げているようだった。風の....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
前司法大臣
風見章閣下、と、こう書くと、ずいぶん凄いことになって、僕など手がとどかないことに....
「眼」より 著者:徳永直
は、たった一枚の塀をへだてて、隣りの争議団本部で起る一切の物音に対して、測候所の
風見の矢のように動いているのだ。 ナ、何を馬鹿な、俺は仮にも職長だ、会社の信任....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
とか云う人がいた。度々その人から肉筆の水彩絵ハガキが来て、殊に兄キ達は、仲間で『
風見』と云う廻覧雑誌をやっていました。――その表紙と口絵とに或る号へ「伊藤さん」....