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「風貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
求の力である。わたしは以前彼と共に、善とか美とか云う議論をした時、こう云った彼の風貌を未だにはっきりと覚えている。「そりゃ君、善は美よりも重大だね。僕には何と云....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぬ中は、どんなにも怖い御方かと存じて居りましたが、実際はそれはそれはお優さしい御風貌なのでございます。むろん御筋骨はすぐれて逞しうございますが、御顔は色白の、至....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
オリンを弾いている姿を見かけて、私はむかし懐しい想いをしたことであつたが、同氏の風貌は十数年以前と少しも変つていなかつた。 そうしている間に私は、もつと必死に....
中支遊記」より 著者:上村松園
林寺という風で、従って仏像も沢山見た。実に沢山ある。だがそれは数ばかりでその容姿風貌には日本の仏像のように尊いところがなかった。これらの仏像がつくられた頃から、....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
今、帝都の空は、漸く薄明りがさして来た。もう一時間と経たないうちに、空襲によって風貌を一変した重病者「大東京」のむごたらしい姿が、曝露しようとしている。白光の下....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
の男は、なんと丘田医師だったのである。丘田医師には違いないが、日頃の彼の温良なる風貌はなく、髪は逆立ち、顔面は蒼白となり、眼は血走り、ヌッとつき出した細い腕はワ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
換条件として、笛吹川の意志に従ったのです。笛吹川は顎鬚を剃りおとし、髪かたちから風貌までを整えて笛吹川の死後、五日目に赤耀館へのりこんだのです。それからのちのす....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
いが湧いてくる。そういえば「新青年」誌上にのっている金博士の顔は、蜘蛛の精じみた風貌をもっているよ。 閑話休題、金博士は、ようやく注意力の二割がたを、蜘蛛の声....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
色の白い快活そうな青年だ。二人共同じような純白の三つ揃いを着て、どことなく洒脱な風貌の持主だった。 形ばかりの簡単な挨拶を済ますと、私は早速夫人へ、前の続きを....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
、当局にしても一応の処置は取ってあります。――ところが、証人の陳述に依る加害者の風貌と、調査に依る上杉逸二の風貌とは、大変違うんです。つまり上杉は、被害者の岸田....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
来絶えて邂逅の機会にめぐまれていなかった。いくら想像をめぐらしても、今日の中野の風貌は、私の脳裡に浮んで来ない。 「ホームから窓を叩く者があるので誰かと思って見....
荘子」より 著者:岡本かの子
に拠る説に多く傾いて来た。しかし、六尺豊な体躯を持っている赫顔白髪の老翁の太古の風貌を帯べる考えと多情多感な詩人肌の彼の考えと到底一致する筈がない。結局荘子は先....
みちのく」より 著者:岡本かの子
しい眼《め》つきだけは撮《うつ》されている男女に共通のものがあってこの土地の人の風貌《ふうぼう》を特色づけていた。 だが、私が異様に思ったのは、それらに囲まれ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のJ氏は都合よく在宅であった。J氏はもう初老を過ぎた人で、理智に富んでいるらしい風貌と、人好きのするような態度をそなえていた。 正直に自分の姓名と職業とを明か....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
べての女を持っているようなものでした。彼女は実に感じ易い性質といろいろの変わった風貌と、新しい生きいきとした魅力とをすべて身に備えて、かのカメレオンのごとき女で....