風邪の気[語句情報] » 風邪の気

「風邪の気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風邪の気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
り合わなかった。江戸を出るときに用意した百両に近い大金も、彼が赤間ヶ関の旅宿で、風邪の気味で床に就いた時には、二朱銀が数えるほどしか残っていなかった。 彼は、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
頭から遠慮をして、さて、先生は、と尋ねると、前刻御外出。奥様は、と云うと、少々御風邪の気味。それでは、お見舞に、と奥に入ろうとする縁側で、女中が、唯今すやすやと....
」より 著者:島崎藤村
咽喉を通らなかった。 「母さんは御飯が何処へ入るか分らない……」 お雪はすこし風邪の気味で、春着の仕度を休んだ。押詰ってからは、提灯つけて手習に通って来る娘達....
正義と微笑」より 著者:太宰治
らく経って、こんどはやや神妙な顔をして出て来て、お気の毒ですけれども、先生は少し風邪の気味で、きょうはどなたにも面会できないそうです。御用があるなら、この紙にち....
縮図」より 著者:徳田秋声
て、ある日忘れて来た袱紗だとか、晴雨兼用の傘などを取りに行くと、均平はちょうど、風邪の気味で臥せっていたが、身辺が何だか寂しそうで、顎髭がのび目も落ち窪んで、哀....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けさお手紙をありがとう。スィトピーはよいとして白いカード? やっぱり玉子組?風邪の気配のことについての短いお心づけは大変いろいろ感想をもってよみました。本当....
初孫」より 著者:国木田独歩
まになりかけた』と祖父様大笑いいたされ候も無理ならぬ事にござ候 先日貞夫少々|風邪の気ありし時、母上目を丸くし 『小児が六歳までの間に死にます数は実におびただ....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
た。初めは何でもないことだったが、いつもとはだいぶ調子が異っていた。みさ子が少し風邪の気味だった。熱を測ると七度一分あった。「大丈夫でしょうか、お医者に診せない....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
声を立ててもすぐに飛んで来た。おおいい児ちゃん、と云って頬ずりをしていた。順一が風邪の気味だと、慌てて医者へ俥を走らせた。帰って来て、しどけない坐り方をしながら....
父の形見」より 著者:豊島与志雄
面倒をみてやる必要はなかった。然し父は時として君の死を想像することがあった。君が風邪の気味だったり、胃腸を少し害ったりする時、父は君の健康に細心な注意を払いなが....
化生のもの」より 著者:豊島与志雄
して、自分は横手のソファーに腰を下した。 「哲夫君、いかがですか。」 「ちょっと風邪の気味ですけれど、一日か二日、臥っておりましたら、なおろうかと存じます。お知....
黒い手帳」より 著者:久生十蘭
中であるから部屋を動くわけにはゆかぬと謝絶し、その足で六階へのぼって行くと、彼は風邪の気味で赤い顔をして寝ていた。そして、これでは食事にもさしつかえるから、妻君....
日記」より 著者:宮本百合子
て非常に愛らしい。 七月二十三日(土曜) 多分窓の雨戸をしめずに眠ったせいか、風邪の気味で頭の工合悪し。「病気」の処を、激しく動いたせいもあるか。 此那では....
日記」より 著者:宮本百合子
とき、出来た病人さえ、愉快を以てあつかわれるのだ。今日は、どうかして疲れを感じ(風邪の気味)気持がひどく消極的なのでこんなことも思い出す。気候の故と見え、国男さ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
るのですから。 或年の大雪の降った翌朝のことでした。雨戸は開いたのに、私は少し風邪の気味だといって床にいましたが、横目で見上げると、樋のない藁葺屋根の軒から、....