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颯然
「颯然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
颯然の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
かん》の袖《そで》を裂いて、うつむけにがくりと倒れた。たかうすびょうの矢が一筋、
颯然《さつぜん》と風を切りながら、ひとゆりゆって後頭部へ、ぐさと箆深《のぶか》く....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ないその竜造寺長門守が、どうやら背後に糸を引いているらしいとあっては、主水之介、
颯然として色めき立ったのは当然なことです。 「いかがでござります。道場に、どんな....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
を下げた。 四 竜雄が、市平に宛てた手紙を書いてから一週間目、市平は
颯然として帰ってきた。 その日のその時も梅三爺は開墾場で働いていた。飯を炊きに....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
もろとも、唐草銀五郎真一文字にぬれ縁の外へ飛びだした。 飛び下りた影を狙って、
颯然たる一刀が月光に鳴り、斜めに腰を払ったが、ヒラッとかわして銀五郎が、無二無三....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
!」 「退くなッ」 と坂の下手へ廻った者も、機を狙って切ッ尖をそろえ、颯、颯、
颯然! 真っ黒になってなだれかかる―― 剣の光は閃々と乱れて見えたが、その時、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
さんでいた。 ――声もかけぬ狂刃が、いきなり暁闇からおどったのはその時である。
颯然たる技力はないが、必死! と感じられる小脇差の切ッ尖が、うしろから老人の鬢を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
天の雲のように、不安と勝気と、また焦躁と剛胆とが、去来しぬいていた風である。が、
颯然とその心は窓が開いた。すすんで苦戦中の苦戦に立つことを申し出た正成の態度に、....
「増長天王」より 著者:吉川英治
へ、黒い人影がソッと立った。 「おや?」 と、感づいて、ふり顧った彼の真っ向!
颯然と、蛍を砕いたような光が飛んだ。あッといった時は、それが剣であったとみる眼も....