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飛び出る
「飛び出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛び出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
と帳場は立毛《たちけ》の中《うち》に押収してしまう。従って市街地の商人からは眼の
飛び出るような上前《うわまえ》をはねられて食代《くいしろ》を買わねばならぬ。だか....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
くろの腹にいたうちから、目がねえんですがね。でも、この土川うちじゃ、目のくり玉の
飛び出るほどぼられますぜ」 「しみったれたことをいうやつだな。その悲鳴が出るあん....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
……」 それやっと口から出たか出ないかも覚えがなく、人を押しのけて飛び出した。
飛び出る間際にも、 「奈々子は泣いたかッ」 と問うたら、長女の声でまだ泣かない....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
戸趣味といったような気分が流れていることなぞはどうやらわかる。それから、眼の玉の
飛び出る程高価なことが、最もよくわかったくらいのことである。 これ位の程度の江....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
買ってやるから、二人で買ってきてくれ、お前らに半分やる」 二童は銭を握って表へ
飛び出る。省作は茶でも入れべいと起った。 二 翌朝、省作はともかく....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
ぶつかって、ジャリンとガラスの砕ける音―― おッ魂消た司法主任が、夢中で廊下へ
飛び出ると、二つの争う人影が、三号室の前で四ツに組んで転っている。駈けつけて、戸....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
で出る。それからまた内にはいる)左衛門殿。早く来てください。来てください。(外に
飛び出る) 左衛門、緊張した、まっさおな顔をして外に
飛び出る。松若母の声に目をさ....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
其儘上りこんで往ったものだから、代稽古の男に馬鹿々々、馬鹿々々と立続けに目の玉の
飛び出るほど叱られた。振返って見ると、成程自分のあるいた跡は泥水が滴って畳の上に....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ンソアがたまげたようにさけんだ。 「しっ、大きな声を出すな」 ラルサンも眼玉が
飛び出るように眸《ひとみ》をひらいていた。フランソアなどは、大きな口をあけっぱな....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
」 泣きさけぶ弟はぴったり私に体をよせてふるえていた。やっとの思いで表の道路へ
飛び出ることが出来た。消火することは全く不可能である。兄は工場の夜番で戻っていな....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
れはきっと、ゆすりでしょうね。立派な人間が若い時の道楽か何かを種にされて目の玉の
飛び出るほどの額をねだり取られているのでしょうよ。だから、ゆすりの家と僕はあの家....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
つかったものもベッケレルが発見したし、かつ菫外線を金属にあてると、金属から電子の
飛び出ることもヘルツが発見した。 さてファラデーは、以上の研究をまとめてローヤ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ん五つ六つと載せていくので、始めは熱い涙が出て居る位ですが、仕舞には眼の球が外へ
飛び出る程になってしまうそうです。そういう遣り方もある。それから叩くというたとこ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
から、死ぬ程のことだのに、様子の知れねえことが有るものかって、私は本当に眼の球の
飛び出るほど亭主に小言を云われたよ、そんな軽はずみな事をして」 仙「上りもしねえ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
きた起きた。二等よりもより雑然たる諸相の中から、湧き出る、溢れ出る、転がり出る、
飛び出る、それらの如く、蠢々として、哀々として、莞爾として、突兀として、二人三人....