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飛交う
「飛交う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛交うの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
らりと並ぶ、女中の半身。 蝶は三ツになった。影を沈めて六ツの花、巴に乱れ、卍と
飛交う。 時にそよがした扇子を留めて、池を背後に肱掛窓に、疲れたように腰を懸け....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
た。 屋根から屋根へ、――樹の梢から、二階三階が黒烟りに漾う上へ、飜々と千鳥に
飛交う、真赤な猿の数を、行く行く幾度も見た。 足許には、人も車も倒れている。 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ている。
どがどがどが。
どがどがどが。
砲弾は白い尾をひいて、上へ下へと
飛交う。
どがどがどが、どがどが。
ペペ山にたてこもったのは、ロロ公爵軍であ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
。で、時々目がさめたように、パッと羽を光らせるが、またぼうとなって、暖かに霞んで
飛交う。 日南の虹の姫たちである。 風情に見愡れて、近江屋の客はただ一人、三....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
土が白い。草のもみじを、嫁菜のおくれ咲が彩って、枯蘆に陽が透通る。……その中を、
飛交うのは、琅※のような螽であった。 一つ、別に、この畷を挟んで、大なる潟が湧....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
片が散るのではない、前に大鷲がうつぎの森の静粛を破って以来、絶えず両人の身の辺に
飛交う、花の色と等しい、小さな、数知れぬ蝶々で。 お雪は双の袂の真中を絞って持....
「菜の花物語」より 著者:児玉花外
も黒く動かさない、ただ、筬ばかりが紺飛白木綿の上を箭の如に、シュッシュッと巧みに
飛交うている。 まだこの道は壺坂寺から遠くも来なんだ、それに壺坂寺の深い印象は....