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「飛出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飛出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火星探険」より 著者:海野十三
るようだった。そしてラッパからしゃがれた張の作り声が、はっきりしない言葉となって飛出すたびに、そのまわりに集っていた町の人々は、どっと笑いくずれるのであった。博....
薬草取」より 著者:泉鏡花
濡れた団扇は骨ばかりに裂けました。 怪飛んだようになって、蹌踉けて土砂降の中を飛出すと、くるりと合羽に包まれて、見えるは脚ばかりじゃありませんか。 赤蛙が化....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
ではないよ」 幕僚がいった。 「しかし、私たちがいないのに、飛空機がひとりでに飛出すわけがありませんぞ」 火星人も、なかなか負けてはいなかった。 「だから、....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
挨拶はもう済みました。貴女嚔は出ませなんだか。 晃 うっかり嚔なんぞすると、蚊が飛出す。 百合 あれ、沢山おなぶんなさいまし。 晃 そんなに、お前、白粉を粧けて....
空襲警報」より 著者:海野十三
ホンをもって並んでいる少年が二十人。半数は自転車で、他の半数は二本の足で、今にも飛出すばかりに身構えていたのだ。班員はサッと挙手の敬礼をすると、 「さあ、行こう....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、床板ががらりと転覆って、大松蕈を抱いた緋の褌のおかめが、とんぼ返りをして莞爾と飛出す、途端に、四方へ引張った綱が揺れて、鐘と太鼓がしだらでんで一斉にがんがらん....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
ったのは、その人ただ一人であった。草に縋って泣いた虫が、いまは堪らず蟋蟀のように飛出すと、するすると絹の音、颯と留南奇の香で、もの静なる人なれば、せき心にも乱れ....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
打たれる。 無我夢中になぐりつけ、蝿たたきは、そこへ投げ捨てたまま跣足でかどへ飛出すのである。それが死んだか逃げたかを、見きわめるのは妻君および女中の役目だ、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
は爺どので、息を詰めた汗の処へ、今のきゃあ!で転倒して、わっ、と云うて山の根から飛出す処へ、胸を頭突に来るように、ドンと嘉吉が打附ったので、両方へ間を置いて、こ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
出すその術は、 ファラデーが手本にしたのは愛情で、 二人が逢う刹那と別るる刹那、飛出す火花は電気じゃないか。 ファラデーはローヤル・ソサイテーで、自分の論文を....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
美さん、貰って行きます。」 我知らず声が出ました。 「あれ、奥様。」 女中が飛出す。 お洲美さんは、式台に一段|躓きながら、褄を投げて、障子の桟に縋ったの....
山吹」より 著者:泉鏡花
山だ。お捻の雨が降る。……村の嫁女は振袖で拝みに出る。独鈷の湯からは婆様が裸体で飛出す――あははは、やれさてこれが反対なら、弘法様は嬉しかんべい。 万屋 勝手に....
清心庵」より 著者:泉鏡花
いうのじゃアありませんか。 ぱッとしたら国中の騒動になりますわ。お出入が八方に飛出すばかりでも、二千や三千の提灯は駈けまわろうというもんです。まあ察しても御覧....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。」 愛吉は忙わしく膝を立て、 「私が、私が参りますよ、串戯じゃない。てッて、飛出すのも余り無遠慮過ぎますかい、へ、」と結んだ口と、同じ手つきで天窓を掻く。 ....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
になって、枝にしがみついている。時ならぬ人の気配に驚いてか、山鳥が近くの草叢から飛出す。ハタハタと彼方に音するのは、鳩であろう。山毛欅の大木に絡む藤蔓、それをあ....