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飛切
「飛切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
素足の胡坐。 ト裾を一つ掻込んで、 「早速一合、酒は良いのを。」 「ええ、もう
飛切りのをおつけ申しますよ。」と女房は土間を横歩行き。左側の畳に据えた火鉢の中を....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
て死んでいたんだよ。烏が引啣えて飛ぼうとしたんだろう……可なり大な重い蛇だから、
飛切れないで鋼線に留った処を、電流で殺されたんだ。ぶら下った奴は、下から波を打っ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
あげて、金博士の前に陣を構えているわけである。事は早くなければならない。「博士。
飛切り上等の物凄い新兵器として何を提供して頂けましょうか」 「うむ。むにゃむにゃ....
「洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
ものだ。 そこで、どこのじゅんさいが一番よいかと言うと、京の洛北|深泥池の産が
飛切りである。これは特別な優品で、他に類例を見ないくらい無色透明なところてん袋が....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
気に向かないと作りませんので、珍重されておりますよ。だが染吉の作にしても、これは
飛切り上等の方で、一代の傑作と申されましょう。……ええと年はまだ若く、二十八の独....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
酔者が居て衆人を苦しめたの、真蔵に向て細君が、所天は寒むがり坊だから大徳で上等|
飛切の舶来のシャツを買って来たの、下町へ出るとどうしても思ったよりか余計にお金を....
「接吻」より 著者:神西清
では奥さんと言葉を交してからは一段と愛想よくにこにこしはじめて、今夜の俺はなんて
飛切り上等の人たちに取巻かれているんだろうと考えていた。…… 夜食の卓についた....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
りたたんだ白い紙を取出して、「これを今晩の中に厩番に手渡してくれれば、お前さんは
飛切|上等の晴着が手に入るんだがね」 「女中がこの男の様子があんまり真剣だったの....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
云った。 「何」 叫ぶが早いか、大衆作家になる私だ。えいっ、廊下へ飛上った天狗
飛切りの術。 「待ってたわいな」 と、奥から出てくる須磨、それを止めようとする....
「妾宅」より 著者:永井荷風
し一つや二つ何か立派などっしりした物があったにしても、古今に通じて世界第一無類|
飛切《とびき》りとして誇るには足りないような気がする。然らば何をか最も無類
飛切り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、上へ参るにつれてだんだんに短く、上着は五寸も詰った、もえるのツンツルテン、舶来
飛切りでげすよ、羽織がこれ萌黄《もえぎ》の紋綾子《もんりんず》で、肩のあたりが少....
「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」より 著者:夏目漱石
るに足らぬとか云う人が出て来ても、些《ち》っとも驚くことはない。又、文学は無類|
飛切《とびきり》の好い職業で、人生にとって之《こ》れ程意味あり、価値ある職業はな....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
この美しい、気持のいい世界の様子を更に引立てて見せる上天気のうちでも、今日はまた
飛切りの上天気になりそうだった。しかし、今のところ、霧はまだ谷間の長さ一杯、幅一....
「葦笛(一幕)」より 著者:宮本百合子
。小蜂が一匹とんで居る。 第一の精霊 サテサテマア、何と云うあったかな事だ、
飛切りにアポロー殿《ドノ》が上機嫌だと見えるワ。日影がホラ、チラチラと笑って御ざ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
私にそういうところがあるということについて悲しく思います。自分が、あんこで云えば
飛切り上等というところまで火が入ってねりがきいていず、ざらついたり水っぽかったり....