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飛揚
「飛揚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛揚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るること一千六百マイル以上の地点に来たり。インド洋の中心にありて、阿房鳥のひとり
飛揚するを見て戯れによむ。 阿房とはたが名づけしか大海を、はうちて渡る影ぞいさま....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、小生の枕辺に来たり、小生に訴えて申すよう、「限界もなき蒼空を住家となし、自在に
飛揚し、自在に囀り、食を求めて啄み、時を得て鳴き、いまだ人間の捕らえて、籠裏に蟄....
「食魔」より 著者:岡本かの子
この話を伯母から切出されたときに鼈四郎は一笑に附した。あの※々として芸術|三昧に
飛揚して没せた親友の、音楽が済み去ったあとで余情だけは残るもののその木地は実は空....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
は、更に油が注がれたように燃えていた。 ことに、玄白は腑分ときくと、自分の心が
飛揚するのを抑えることができなかった。彼は、ターヘルアナトミアを手にして以来、腑....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
生長し、生殖し、受胎し、産卵し、展望し、喧騒し、群立し、思考し、歓喜し、驚異し、
飛揚し、飜躍し、――島そのものから、ああ、島そのものからすばらしい創世紀にあるの....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
家に、ぼくらの窮状を知らせようというのです、ぼくは、一婦人がたこに乗って、空中に
飛揚することをこころみて、成功したことを、ある本で読んだことを記憶します、いまこ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
小さな船だから耐りません、船は打揚げ打下されまして、揚る時には二三間|宛も空中へ
飛揚るようで、又|下る時には今にも奈落の底へ墜入りますかと思う程の有様で、実に山....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
そしてそれに紅白、あるいは紺と白と継ぎ分けた紙の尾を幾条もつけて、西北の季節風に
飛揚させる。刈り株ばかりの冬田の中を紅もめんやうこんもめんで頬かぶりをした若い衆....
「凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
て中層へあがりその下へ北から来る寒風がもぐり込んでいるのだという事は、当時各地で
飛揚した測風気球の観測からも確かめられている。そのために中層へは南方から暖かい空....
「蜂が団子をこしらえる話」より 著者:寺田寅彦
拡げて強く振動させた、おそらく飛び上がろうとしたのであろうが、虫の重量はこの蜂の
飛揚力以上であったと見えて少しも動かなかった。どうするかと思っていると、このやや....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くながめると、その外に、空中には紅紫|絢爛《けんらん》、いくつもの、いかのぼりが
飛揚していることを知りました。 字凧、絵凧、扇凧、奴凧、トンビ凧の数を尽し、或....
「明暗」より 著者:夏目漱石
し》お延、お秀の愛でも何でもなかった。ただ漫然《まんぜん》として空裏《くうり》に
飛揚《ひよう》する愛であった。したがってお延の努力は、風船玉のようなお秀の話を、....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
交際を開き、豪遊と名づけ愉快と称し、沈湎《ちんめん》冒色《ぼうしょく》勝手次第に
飛揚して得々《とくとく》たるも、不幸にして君子の耳目に触るるときは、疵《きず》持....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
初巳君らと季刊雑誌「開花草子」を発行していた時、その扉絵に水島爾保布画伯が軽気珠
飛揚げの図を恵んでくだすった。私の羽織の紋はこれを下図に縫わせたのであって、私の....
「二十六夜」より 著者:宮沢賢治
ょうよく》を開張し、虔《うやうや》しく頸《くび》を垂れて、座を離《はな》れ、低く
飛揚《ひよう》して、疾翔大力を讃嘆《さんたん》すること三匝《さんそう》にして、徐....