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飜訳
「飜訳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飜訳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ませんで」と言われ、当惑したことを覚えている)それからもう故人になった或|隻脚の
飜訳家もやはり銀座の或煙草屋に第二の僕を見かけていた。死は或は僕よりも第二の僕に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
じさわさとし》君。『城』同人《どうじん》の大将株で、この間ボオドレエル詩抄と云う
飜訳を出した人だ。――こっちは英文の安田俊助《やすだしゅんすけ》君。」と、手もな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れた感覚に訴えようとする。感覚の世界は割合に人々の間に共通であり、愛にまで直接に
飜訳され易いからである。感覚の中でも、実生活に縁の近い触覚若しくは味覚などに依る....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
鹿々々しい、といって……女郎買に振られて帰ったこの朝だ。俥賃なしの大雪に逢って、
飜訳ものの、トルストイや、ツルゲネーフと附合ったり、ゲーテ、シルレルを談じたって....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
とがわかった。同時にだまされた病人と彼の家族に対し、盛んなる同情を喚び起し、また
飜訳書に依って日本の維新が西洋医学に端を発したことさえも知った。 この何ほどか....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
古でもし玉え、」と面白くない顔をした。緑雨のデリケートな江戸趣味からは言文一致の
飜訳調子の新文体の或るものは気障であったり、或るものは田舎臭かったりして堪らなか....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
数年後の国会開設を公約されて休息期に入って民心が文学に傾き、リットンやスコットの
飜訳小説が続出して歓迎され、政治家の創作が頻りに流行して新らしい機運に向いていた....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の顔がうつっているのかい」 「じゃないんだ。ほら見給え、この紫の曲線を。こいつを
飜訳して見ると、犯人の画像が、ありありと出て来ようという寸法さ。しばらく質問を遠....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
来れ。大きな声ではいえないが、わしも近いうちに、大使館を馘になるのでのう。わしが
飜訳大監として威張っとるうちに、ぜひ来て下されや」 と、王水険博士は、大秘密を....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ュウ・ガールとも近附のある小初は、媚というねたねたしたものを近代的な軽快な魅力に
飜訳し、古典的な青海流の飛込みの型にそっと織り込ますことぐらい容易である。生ぬる....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
と認めておられたかに解してしかるべきものであろうか。 インドに云う旃陀羅は、「
飜訳名義集」にも「此云」とあって、屠殺業者の名称であったには相違ない。しかし彼ら....
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
は詩人サ、『山々|霞《かす》み入合《いりあい》の』ていうグレーのチャルチャードの
飜訳《ほんやく》を愛読して自分で作ってみたものだアね、今日《こんにち》の新体詩人....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
である。日本の文章は漢文崩しである。漢字の用法を知らないで文字の書ける筈はない。
飜訳などをするものが、勝手に粗末な熟語を拵えるのは読むに堪えぬ。是等は実に適当な....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
ゲーテだのシラーだの時にはゴッホの絵本などゝいふどこから種本を見つけてくるのやら
飜訳といふ仕事をやり、私が小説の本をだしたよりもたくさん
飜訳の本をだしてゐるので....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
の、三枚のもの、一枚のもの、合計して十八枚の暗号文書が現れた。 矢島はたゞちに
飜訳にかゝった。 その
飜訳の短い時間のあいだに、矢島は昨日までの一生に流してき....