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食い
「食い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
く路の一カ所に鞍が踏みつけられて、土にまみれているのが見つかった。馬蹄の跡は道に
食いこんで、あきらかにものすごい速さで走ったらしく、橋のところまでつづいていた。....
「初雪」より 著者:秋田滋
唖然としていたが、やがて、胸も張り裂けよとばかり、からからと笑いだした。銀の器に
食い物をいれて飼犬に食わせるほうが、彼には遥かに自然なことのように思われたのであ....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
り返りもしない。のみならず懐《ふところ》から焼き芋を出し、がつがつしているように
食いはじめる。
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焼き芋《いも》を食っている背むし....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
過ぎは雨が降っていたろう。あの雨の最中《さいちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を
食いに来ないかという手紙なんだ。ちょうど僕も暇だったし、早めに若槻の家へ行って見....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ない何秒かの間《あいだ》、慎太郎は大声に名を呼びながら、もう息の絶えた母の顔に、
食い入るような眼を注いでいた。
(大正九年十月二十三日)....
「影」より 著者:芥川竜之介
咄嗟《とっさ》に床《ゆか》へ這《は》うと、ノッブの下にある鍵穴《かぎあな》から、
食い入るような視線を室内へ送った。
その刹那に陳の眼の前には、永久に呪《のろ》....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
繰返して云うが、何小二は馬の背に揺られながら、創の痛みで唸っていた。が、彼の
食いしばった歯の間を洩れる声には、ただ唸り声と云う以上に、もう少し複雑な意味があ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
違っていたのかとさえ疑われる。しかし己は、そう囁いた。囁くまいと思いながら、歯を
食いしばってまでも囁いた。己にはそれが何故《なぜ》囁きたかったのか、今になって振....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
さえすれば………」
これは玄鶴にも残っていたたった一つの慰めだった。彼は心身に
食いこんで来るいろいろの苦しみを紛らす為に楽しい記憶を思い起そうとした。けれども....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
あろう。僕は昨年の冬鎌倉へ転居する、丁度一週間ばかり前に、本間さんと一しょに飯を
食いに行って、偶然この話を聞いた。
それがどう云うものか、この頃になっても、僕....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
純ではない。目前の飯を食おうとすれば、火の燃えることもあると同時に、又存外楽楽と
食い得ることもあるのである。のみならず楽楽と
食い得た後さえ、腸加太児《ちょうカタ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
しかったから、次の日山へ行った帰りに、椿の葉を何枚も拾って来てやった。その葉の虫
食いを続けて読めば、帰雁二どころの騒《さわ》ぎではない。『明日帰洛《みょうにちき....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
あし》三足《みあし》蹌踉《そうろう》と流れの汀《なぎさ》から歩みを運ぶと、必死と
食いしばった歯の間から、ほとんど呻吟する様な声で、「好《い》いか渡すぞ。」と相手....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
して遠ざけて置いた。 日の暮れ方に、二人で湯にはいって、それから、自笑軒へ飯を
食いに行った。僕はそこで一杯の酒を持ちあつかいながら、赤木に大倉喜八郎と云う男が....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
なに、今ここを通りかかったら、野ら犬が二三匹、いい餌食《えじき》を見つけた気で、
食いそうにしていたから、石をぶつけて、追い払ってやったところさ。わたしが来なかっ....