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食み出し
「食み出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食み出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いる。おそらく江戸時代からの遺物であろう。繁った枝や葉は塀を越えて往来の上に青く
食み出している。 この横町は比較的に往来が少ないので、いつも子供の遊び場になっ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
や雑誌が散らばっているが、その壁に近く、開封した封筒とその中から手紙らしいものが
食み出しているのを見つけた。 それは忽ち帆村の所有慾を刺戟した。 「あれが吾が....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
は官吏の服務内容のことで、これが脱線か増長かしたのが吏道だというわけだ。但しその
食み出した残余に相当するらしいもの自身は、少しも説明されたのではないが。だが潮内....
「映画芸術と映画」より 著者:戸坂潤
とが別であることを否定しようというのではない。一方が芸術であり他方が「芸術」から
食み出した別なものであることを、否定しようというのではない。寧ろそのことこそを主....
「贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
の下の方を眺めていた。 森君は、余程奥の方にはいり込んだらしく、少しばかり外に
食み出していた靴の先もやがて見えなくなった。 すると、この時に背後の方に人の足....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
中空に輝いていたので、傍らに立っている旗本屋敷の、家根の甍が光って見えた。土塀を
食み出して夕顔の花が、それこそ女の顔のように、白くぽっかりと浮いて見えるのが、凄....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、苦痛を耐える最後の努力でもあった。
そして、左手で、静かに、切口をいじって、
食み出している大腸へ触れると、それを切口へ押込もうとした。いつの間にか、分量の多....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
光がさしていた。 と、一つの辻堂があった。縁下から二本の人間の足が、ヌッと外へ
食み出していた。そうして其の側に一つの瓜が、二つに割られて置いてあった。 一行....