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「食らう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

食らうの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
》く彼の泣くを見んはたやすからず、彼は恨みも喜びもせず。ただ動き、ただ歩み、ただ食らう食らう時かたわらよりうまきやと問えばアクセントなき言葉にてうましと答うそ....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
た。 彼は計画どおり三カ月の糧《りょう》を蓄えて上京したけれども、坐してこれを食らう男ではなかった。 何がなおもしろい職を得たいものと、まず東京じゅうを足に....
青木の出京」より 著者:菊池寛
ために、彼は自分の過去におけるばからしさと、青木の背信とを恨んだ。 が、雄吉の食らうべき第二の韮《にら》は、もうそこに用意されていた。雄吉が京都に来た翌年の春....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
知る欣びで酬われていた。語句の末が明らかになるに従って、次第に蔗《さとうきび》を食らうがごとく、そのうちに含まれた先人未知の真理の甘味が、彼らの心に浸みついてい....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
うのが、慌てる銃猟家だの、魔のさした猟師に、峰越しの笹原から狙い撃ちに二つ弾丸を食らうんです。……場所と言い……時刻と言い……昔から、夜待ち、あけ方の鳥あみには....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
武男が母は昔|気質の、どちらかといえば西洋ぎらいの方なれば、寝台に寝ねて匙もて食らうこと思いも寄らねど、さすがに若主人のみは幾分か治外の法権を享けて、十畳のそ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
荘子』に螂蛆《むかで》帯を甘んず、注に帯は小蛇なり、螂蛆|喜《この》んでその眼を食らう、『広雅』に螂蛆は蜈蚣なり、『史記』に騰蛇これ神なるも螂蛆に殆しめらる、『....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
しばしば紛失するので、あるときそっと窺っていると、一匹の大きい蛇が忍び寄って偸み食らうのであった。彼は大いに怒って、長柄の鎌をもって切り付けると、蛇は傷ついて走....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
場などのあいだに太陰積尸の気が久しく凝るときは化して羅刹鳥となり、好んで人の眼を食らうというのである。 平陽の令 平陽の令を勤めていた朱鑠という人は、そ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、鶻鷂《こつよう》に食われ、白象無量の力あるを、獅子獣小さしといえども撮《と》り食らう事|塵土《じんど》のごとし、大竜身無量にして金翅鳥《こんじちょう》に搏《う....
婦人の天職」より 著者:堺利彦
彼らの手に打ち任せ、自分らは大小をさし、かみしもをつけぶらぶらとしてその米をとり食らうこと、武士にとりてはすこぶる好都合なりしなるべし。それと同じく、炊事、裁縫....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
》しくなくなる。同じ獅子《しし》の穴《あな》に入るにしても、相手が己《おの》れを食らうなど思えばおそろしくなるが、この獅子《しし》は妄《みだ》りに人を食《く》わ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
あげてくるナマがかったキャベツならうまいと思うから妙だ。それに、いかにもモリモリ食らうという感じで、精気ハツラツたる爽快味を感じるのである。 私が長崎へ旅行し....
妖怪学」より 著者:井上円了
南方に池あり、地中に水あり、水中に魚あり、三頭九尾、人間五穀を食わず、ただ瘧鬼を食らう)と。これみな、文章上の意味についてその実を連想し、必ずその結果あるべしと....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
て、乳人の優しさをお示しあそばされ候。もし幸いにして離乳期を迎え、余みずから物を食らう日あらば、いよいよこの世にて臣道のまことを尽くさん。さあらずば、天にあって....