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食券
「食券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食券の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
おしに翌日の夜まで働いて、へとへとになった彼らの手に握らされたものは、一、二枚の
食券のほかに何があったであろうか。 それでも彼らは何もいわない。映画従業員はこ....
「舗道」より 著者:宮本百合子
××○○会社からとっている月給は英文、邦文両方やって三十八円だった。そこから天引
食券代五円、クラブ費親睦費とさしひかれる。間代を十円払うと、あと食べてエスペラン....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
のこもった気持で、翌日ひろ子は街道をあちこち歩いて、移動の手続きをしたり、旅行外
食券に代えたりした。 四 運よく、その列車の中でひろ子は座席が....
「風知草」より 著者:宮本百合子
きて、帽子のないいが栗頭に、前年の冬はいていたひろ子の手縫いの草色足袋をはき、外
食券食堂で買った飯を新聞紙にぶちまけたのをたべたべ、重吉は一人で網走から東京まで....
「ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
いる。一人の方に、自分の所属団体の名と姓名を記入して貰う。次の小机で、作家たちは
食券を買う。記入額は五|留《ルーブリ》だ。だが、二留半払えばいい。半額なのだ。 ....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
の生活が始まって見ると、様々な問題が起った。第一食事はその若い人々が、自弁で、外
食券で、食べなければならない。外
食券の食事が、どんな実質のものかということは、誰....
「淪落」より 著者:林芙美子
のきれいな男だつた。栗山と話していると何となくわたしは気持ちがよかつた。栗山は外
食券でごはんを食べているので、たまには家庭の飯がたべたいと云うので、或日、わたし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ンさんは十月二日におよめに行くから一緒に一度御飯たべようと思い、しかしこの頃は外
食券がないと御飯たべられないのですって。そこでペンさんの家へゆき、おかずを私が買....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
几が並んで居ります、ホーレン草の入った雑炊売るのね。附近の人は大助りでしょう。外
食券なしで買えるし、食べさせるのですから。いずれはうちも十一時までだから十時半な....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
だと言われても仕方がない程度にケチンボーであった。彼は亮作に産報のビールの券や、
食券などを与えたが、飲食するには亮作が金を支払わねばならない性質のものであった。....
「二科狂想行進曲」より 著者:寺田寅彦
いきれ。観音様が流行らないなら、モガの一人も張り飛ばして、食堂でアイスカフェーの
食券一枚。 六 大家は大家で小家は小家、そして中家は中家で世....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
クリスマスデナー開催の立札の、框張《わくば》りの大きなのが立《たて》かけてある。
食券三円云々としるしてあった。階段の上り口には赤い紙に白く、「世直し忘年会、有楽....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
下室の食堂が開かれたのはそれから間もないことであった。群衆は殺到した。その時から
食券は前売ということになった。必要に迫られるといろ/\新しいことが発明せられる。....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
見番の骨ばかり出来あかざ草 下肥の匂ひこれが東京柳橋 おごりなら泊るあしたは外
食券 入口は喫茶、小待合は奥 三味線は郊外《こうがい》できくものになり 帰りがコ....
「甘話休題」より 著者:古川緑波
最近開店した、ジャズ、クラシック共に演奏するという店へ入ってみた。入口で、飲
食券を買わされるのが、先ず落ち着かない。 入れば、殆んど真っ暗だ。僕など、眼が....