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食堂車
「食堂車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食堂車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
んは已《や》むを得ず、立った後《あと》の空地へ制帽を置いて、一つ前に連結してある
食堂車の中へ避難した。
食堂車の中はがらんとして、客はたった一人しかいない。本....
「雌に就いて」より 著者:太宰治
かね？」 「一等か三等だ。まあ、三等だろうな。」 「汽車に乗る。」 「女を誘って
食堂車へはいる。テエブルの白布も、テエブルのうえの草花も、窓のそとの流れ去る風景....
「列車」より 著者:太宰治
Ｃ五一型のその機関車は、同じ工場で同じころ製作された三等客車三｜輛《りょう》と、
食堂車、二等客車、二等寝台車、各々一輛ずつと、ほかに郵便やら荷物やらの貨車三輛と....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
どんな人間でも持っているあえかなノスタルジアのようなものであった。だから、陽子は
食堂車の灯を追うて線路伝いに汽車と一緒にかけ出そうとする子供のように、思いがけず....
「過古」より 著者:梶井基次郎
鑵車の烟《けむり》は火になっていた。反射をうけた火夫が赤く動いていた。 客車。
食堂車。寝台車。光と熱と歓語で充たされた列車。 激しい車輪の響きが彼の身体に戦....
「旅行の今昔」より 著者:幸田露伴
のであります。 汽車の上り下りには赤帽が世話をする、車中では給仕が世話をする、
食堂車がある、寝台車がある、宿屋の手代は停車場に出迎えて居る、と言ったような時世....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
氷河になって凍った滝のようにたれ下がっていた。サンゴタールのトンネルを通ってから
食堂車にはいるとまもなくフィヤワルドステッター湖に近づく。湖畔の低い丘陵の丸くな....
「安重根」より 著者:谷譲次
めく。 13 十月二十六日、朝。東清鉄道長春ハルビン間の特別列車、
食堂車内。 金色燦然たる万国寝台車の貴賓
食堂車内部。列車の振動で動揺している。正....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、元勲伊藤公の坐乗せる特別列車は、長春より一路｜哈爾賓をさして急ぎつつあった。」
食堂車内の景。 伊藤公が、金の飾りのついた洋杖をかたわらに、何か書いた紙片を満....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
きを立てて流れていた。 シャンベルタンの谷の冬の葡萄畑をロウザンヌ発｜大特急の
食堂車の窓から酔った眼が見るような一面に暖かい枯草色のテュニス絨毯なのである。そ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
某新聞記者の溜り場の一ツらしい。記者連がゴロゴロ酔いただれているところへ、檀君は
食堂車でのみつづけて大虎となって現れ、一団に合流していずれへか車で去ったという。....
「小林さんと私のツキアイ」より 著者:坂口安吾
しくハカマをはいていた。私は人のモーニングを借り着していたのである。 大宮から
食堂車がひらいたので、二人で飲みはじめ、越後川口へつくまで、朝の九時から午後二時....
「富籤」より 著者:神西清
料水だのと言って、停車場じゅうを駈け廻らなければなるまい。……女房は高いと言って
食堂車へはとても行くまい。…… 『だが女房は俺にもとてもけちけちするだろうな』と....
「四つの都」より 著者:織田作之助
米原は何県やろ？」 言いながら、窓から顔を出す。 向うにも夜汽車が停っている。（
食堂車のしみ／″＼とした灯） 駅員の声（マイクを通した夜更けらしい声）「米原ァ！....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
美しい夫人が『電報を打って頂きたいのですが』と云って電報用紙を私に渡し、そのまま
食堂車の方へ行きました。小柄な方で、紫色のような服装をしていたのだけは覚えていま....