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「食客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

食客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ういう田舎《いなか》にいては、何かと修業の妨げになる。だから、あなたのところへ、食客《しょっかく》に置いて貰うわけには行くまいか。それからまた、自分は六冊物の読....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
そらくは下位にある黄一峯です。 私《わたし》の周囲には王氏を始め、座にい合せた食客《しょっかく》たちが、私の顔色《かおいろ》を窺《うかが》っていました。ですか....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
どうか御飯をという。細君は総《すべ》てをそこに置いたまま去って終う、一口に云えば食客の待遇である。予はまさかに怒る訳にもゆかない、食わぬということも出来かねた。....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ふとした拍子に豹一が自嘲的に思い泛べた表現を借りていえば、そんな風に多鶴子の「食客」となって、二週間経った。 恋をしている証拠に、豹一はもはや多鶴子以外にな....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
絶妙な気合いで、二人の仲が完全に結ばれてしまったのである。たぶんカムポスは当分の食客を、折竹のいるこの室ですることになるだろう。とその夜、二日酔退治にまた酒とな....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
く謙り下らずとも、公々然として濶歩し得る。今日の文人は最早社会の寄生虫では無い、食客では無い、幇間では無い。文人は文人として堂々社会に対する事が出来る。 今日....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
をもう少しも持っていませんでした。止むを得ぬ事情の下におかれて、彼は同志の家で、食客の出来る家を転々し始めました。三月の末に、Oが三月の刑期を終えて出獄する頃に....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
磨いた医師のうちの、書生兼小使、と云うが、それほどの用には立つまい、ただ大食いの食客。 世間体にも、容体にも、痩せても袴とある処を、毎々薄汚れた縞の前垂を〆め....
黒百合」より 著者:泉鏡花
活溌に若い声で呼んだ。 呼ばれたのは、知事の君が遠縁の法学生、この邸に奇寓する食客であるが、立寄れば大樹の蔭で、涼しい服装、身軽な夏服を着けて、帽を目深に、洋....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
太衛門、千恵蔵などの諸君の顔を憶えた。 当時大将軍にいた伊藤は私を加えて三人の食客を養つていた。いま千恵プロにいる香川良介、「下郎」の作者中川藤吉の両者と私、....
戯作者」より 著者:国枝史郎
知ったからでもある。 その馬琴はそれから間もなく、蔦屋重三郎に懇望され、京伝の食客から一躍して、耕書堂書店の番頭となったが、これはこの時の代作が稀代の成功を齎....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
躰を飾った自己弁護はあっても)、みな真実であろう。馬琴が京伝や蔦重の家を転々して食客となり、処女作『尽用而二分狂言』に京伝門人大栄山人と署したは蔽い難い。僅か三....
贋物」より 著者:葛西善蔵
るまでもなく、なるほど自分の柄にはないことのようにも思われだした。「やっぱし弟の食客というところかなあ……」と思うほかなかった。…… 二階の窓ガラス越しに、煙....
活人形」より 著者:泉鏡花
ていずれも年紀は我より少し。多くの腰元に斉眉かれて、荒き風にも当らぬ花なり。我は食客の身なれども、叔母の光を身に受けて何不自由無く暮せしに、叔母はさる頃|病気に....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
どうかね』といってくれた。こんなありがたい話はない。私はそのまま当分番頭代わりの食客という奇妙な資格でそこに居座ることになった。いよいよ小づかいに困り、しめてい....