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食通
「食通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
菊萵苣と和名はついているが、原名のアンディーヴと呼ぶ方が
食通の間には通りがよいようである。その蔬菜が姉娘のお千代の手で水洗いされ笊で水を....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
くつくしのお精進……蕪を噛る。牛蒡、人参は縦に啣える。 この、秋はまたいつも、
食通大得意、というものは、木の実時なり、実り頃、実家の土産の雉、山鳥、小雀、山雀....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
巴里のレストラントは一体何千軒あるか判らない。 牛の脊髄のスープと云ったような
食通を無上に喜ばせる洒落た種類の料理を食べさせる一流の料理店から葱のスープを食べ....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
つちあげた「名物」である。 私は断じて「美食家」とはいえないし、まちがつても「
食通」ではないから、「味覚」や「料理」についてえらそうな口を利くつもりはない。し....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
葉亭には道楽というものがなかった。が、もし強て求めたなら食道楽であったろう。無論
食通ではなかったが、始終かなり厳ましい贅沢をいっていた。かつ頗る健啖家であった。....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
麗に片附けた。ドダイ西洋料理を旨がる田舎漢では食物の咄は出来ないというのが緑雨の
食通であったらしかった。 本所を引払って、高等学校の先きの庭の広いので有名な奥....
「鮟鱇一夕話」より 著者:北大路魯山人
たが、その味覚識見はさすが見上げたものだ。そうはっきりいってのけられるだけのパン
食通は、ざらにあるものではない。「うちの親爺(夫君のこと)はタマネギや肉の一杯は....
「京都のごりの茶漬け」より 著者:北大路魯山人
る人は少ないであろう。京都以外の人では、名前も存在も知らぬ人が多いかも知れない。
食通間では、ごりの茶漬けを茶漬けの王者と称して珍重している。しかし、食べてみよう....
「車蝦の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
目にも無論見事だし、一尾ずつで上等のてんぷら種になる材料だから、よほど経験のある
食通でなければ、やってのける度胸は出まい。これをいきなり佃煮風にするのは、もった....
「弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
にさほど興味や関心を持たぬひとであるなら、とやかくいう筋合ではないが、美食家とか
食通とかいわれて、著書など世間に堂々と発表しているひとびとに、それが往々あるのだ....
「鮎ははらわた」より 著者:北大路魯山人
と、ガブッと快く骨ごと食うわけにはいかないから、まず食わない人が多い(もっとも、
食通は頭から食いつき、味わった後、カスを吐き出すが)。また尻尾の方、排泄口のある....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
肉に充分のしまりがあって、他に悪いくせもなく、また妙に甘すぎもしないという点で、
食通をよろこばすに足る。 車えび、伊勢えびも、そのくせを嫌わない者には結構であ....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
目を果たすのである。そして美味くできれば、その味、簡適にして醇乎、まことに一端の
食通をもよろこばすことができる。なまなかてんぷらなぞ遠く及ばない。そして、これを....
「お茶漬けの味」より 著者:北大路魯山人
しかし、だからと言って、費用をかけたから食物の美味さが誰にも分るとはかぎらない。
食通と言われる人でも、種々の段階があるくらいだから、一般ではなおさらである。結局....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
占めるといったふうな干ものである。 伊豆諸島出来のクサヤの干もの、これは上方の
食通には、嗅覚が堪えられないと敬遠されるものであるが、美味さにおいて干もの中の白....