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「飲んだくれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飲んだくれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
それが石岡の声らしかった。 「ばかいえ貴様、そうきゅうにわかってたまるものか。飲んだくれ本性たがわずということを知らんな。……婆や、酒はどうした、酒は……。け....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
《そ》ぎ取って来たのさ?」こう、細君はむきになって呶鳴《どな》りたてた。「悪党!飲んだくれ! この私がお前さんを警察へ訴えてやるからいい。何という大泥棒だろう!....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
」そして最後に「殺されたくないものは来れ!」だった。――どんな「ボンクラ」でも「飲んだくれ」でも、自分達が半殺しにされるような生活をさせられていることは分ってい....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
また、満期になったフランスの下士官どもや兵隊が大勢乗った。 ただの兵隊はみんな飲んだくれで、どうにもこうにもしようのないような人間ばかりだった。前に言った水兵....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
い、あれは嘉吉と申しまして、私等秋谷在の、いけずな野郎でござりましての。 その飲んだくれます事、怠ける工合、まともな人間から見ますれば、真に正気の沙汰ではござ....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
られ、そこで、思い出すもおそろしい生活を強いられたのでした。その主人と言うのは、飲んだくれの情知らずで、食物などろくろく与えず、山のような荷をひかせ、絶え間なく....
家なき子」より 著者:楠山正雄
なのだから」 「きみの家族だって。あのどろぼうをする男が、きみの父親だって。あの飲んだくれ女が、きみの母親だって」 「マチア、それまで言わずにいてくれ」とわたし....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、それだけですかい」などとやりだしたが、六尺三十貫の本職の相撲取だから、廃業して飲んだくれていたって、なんとか組のなんとか氏が全力をつくしても、ハエがとまったよ....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
巡査は口を切った。「昨晩は、僕だって少しも眠れなかったです。あれから僕は、一晩中飲んだくれのチンドン屋を探し廻ったんですよ。その結果、これはまだ内密の話なんだが....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にこういう店が電燈をとめられ尚かつ営業しているリリしさは大そうだが、リリしいのは飲んだくれのお客の方で、女主人はただ実にもう好人物で、オドオドと、一向にリリしい....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
という奴だね。 しかし、この古衣屋氏の大勘定には、おどろいたねえ。私はバカげた飲んだくれぶりでは歴戦の勇士で、性こりもない点では人後に落ちない方である。酔っ払....
深川女房」より 著者:小栗風葉
おくんなさいよ」 「何だい卑怯なことを、お前も父の子じゃねえか」 「だって、女の飲んだくれはあんまりドッとしないからね」 「なあに、人はドッとしなくっても、俺は....
式部小路」より 著者:泉鏡花
れた代物じゃないんですよ。」 「ゆするの?」 「いいえ、ゆするも、ゆすらないも、飲んだくれ、酒ッ癖の悪い、持て余しものなんでさ。私どもの社会ですがね。」 「おや....
国境」より 著者:黒島伝治
河岸からあがってきた。酒精に水をまぜて、火酒として売りつけた。資本主義時代から、飲んだくれることが労働者的であるように思いこんでいるルンペンを酒に酔わしてしまっ....
春泥」より 著者:久保田万太郎
した、その、惨めなけじめをくわないためには、後手にまわらないためには、かれとして飲んだくれるより外に方法はなかった。たゞもう出鱈目にそうするより外はなかった。そ....