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「飲屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飲屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
天馬」より 著者:金史良
げてふいた。 裏小路に出ればそこは所謂《いわゆる》鐘路裏で、カフェー、バー、立飲屋《ソンスルチビ》、おでん屋、麻雀屋、周旋屋、飲食店、旅館等が、目をぴかぴか光....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
して上場されたあの「濁り江」は、この家に移ってから、その近傍の新開地にありがちな飲屋の女を書いたものであった。女史は其処に移ってからもそうした種類の人たちに頼ま....
どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
そんな時、最も安らかに息が出来るのでした。」 戦後、東京の今の家に戻って来て、飲屋を始めてからも、千代乃は実によく働いてくれた。 ただ、お互に、一つずつ祕密....
庶民生活」より 著者:豊島与志雄
いじゃありません。だが、どうしてああ日本着物をほしがるのか、不思議です。怪しげな飲屋の女中なんかしていたのを、わたしが拾いあげてやった、その恩義はけろりと忘れて....
擬体」より 著者:豊島与志雄
降りていった。幾つかの店に区切られてるその一番奥に、壁に沿って白木の卓が並んでる飲屋があった。端っこの隅の卓で、丸田が日本酒を飲んでいた。石村証券の社員である。....
水甕」より 著者:豊島与志雄
。屋台の飲食店がたくさん並んでる方面へ出かけてゆき、メチールの危険の少い馴染みの飲屋で焼酎をあおりました。梯子飲みをすることもありました。その調子は、そういう屋....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
ち》をとことことあるきはじめた。ところどころでさびしい灯を鋪道にはわさせている立飲屋で、アタピンをひっかけちゃあ元気をつけてあるいてゆくうちに、さむさはさむいが....
樹氷」より 著者:三好十郎
、ナッチョラン! はは、へえだ。誰があんた、両親そろって、しあわせに育った人間が飲屋の女なんかになるもんですか。家は貧乏身よりはチリヂリ、あっちもこっちもナッチ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と思って、源次はすっかり気をゆるめているらしい。だが腹の底はしまった男とみえて、飲屋で話しあっている間に眼八がチョイチョイかまを試みたが、いっこう、口を辷らせて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
にやり取りされている。 「おや組頭が、誰か、しょッ曳いて来たらしいぜ」 「六条の飲屋のおやじだ」 四、五人が抜けて、彼方へ走り、その三人と何か話しているうちに....
或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
え手にかけて育てられない運命をもっている女のように思われた。事実、彼女の母はある飲屋に彼女を生み落すと同時に行方不明になっていた。やはり街裏の垢じみた一室に苦し....
池袋の店」より 著者:山之口貘
ことをおもい出したのだ。そのころ、東両国の国技館前の通りにあった「安兵衛」という飲屋のおかみだったからなのだ。主人はときくと、なくなりましたといい、いまは、とき....