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飲用
「飲用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飲用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「追憶」より 著者:芥川竜之介
る。 一六 水屋 そのころはまた本所も井戸の水を使っていた。が、特に
飲用水だけは水屋の水を使っていた。僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の爺....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
松、杉等の密林及び竹藪等の間少し許りの畑地を有するのみにして、該井水は番人小屋の
飲用に供せられしも、其後次第に伐採開墾せられ大正二年頃は所謂池田の新開地と称し寂....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
空屋を借り受け、そのなかに積んで置いて、厳重な戸締まりをした。それが異人らの日常
飲用する酒の空壜であるということすらわからなかったという。 すべてこの調子だ。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
一 青山の家に起こった悲劇は狭い馬籠の町内へ知れ渡らずにはいなかった。馬籠は
飲用水に乏しい土地柄であるが、そのかわり、奥山の方にはこうした山地でなければ得ら....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
はいけません。一年ぐらい海岸にでも行っているといいですがな」 それから葡萄酒を
飲用することを勧めた。 五十七 医師の言葉を書いて、ぜひ九月の学....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
剤となる。また芳香を有するがため、嬌臭及び嬌味薬となる、あるいは種子を酒に浸し、
飲用すれば疝気に効あり。茴香精、茴香油、茴香水を採録す」 北山はここで舌打ちを....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
具を載せ置けり。廁は井戸に列してそのあわい遠からず、しかも太く濁りたれば、漉して
飲用に供しおれり。建てて数十年を経たる古家なれば、掃除は手綺麗に行届きおれども、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ありゃ。門札の傍へ、白で丸い輪を書いたのは。」 「井戸でない。」 「へえ。」 「
飲用水の印ではない、何じゃ、あれじゃ。その、色事の看板目印というやつじゃ。まだ方....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
中村屋牧場は乳牛十数頭を飼えるだけの最も小規模なものですが、自家製品の原料または
飲用としての牛乳を得るに恥かしくないだけの自信を持っています。警視庁の調査による....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
から始め、午後の配達は二時頃から配らなければならぬ。得意は滋養物として規則正しく
飲用する人が多いから、ぜひ食事前に間に合うよう配達せねば、直ぐ他の勉強家に得意を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
男たちは互に掴まったり子供たちをその通路の外へ掴み出したりした。とうとう、一つの
飲用泉の近くのある街角のところへ走りかかった時に、馬車の車輪の一つが気持悪くちょ....
「わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
み飲みしても役に立たない。水の到着以前に生のウイスキーが胃壁に衝突しているから。
飲用以前に、タンサンか水で割るべきである。同じことのようでも手順が前後すれば何事....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
の滑車を五分間も廻さなければ汲み出せないの然かも濁った水よ。駅や小学校の控室には
飲用水の代りに葡萄酒が備えてあるの。農夫は野良仕事に葡萄酒を壜に詰めてぶら下げて....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
又それによって二人の口を果して開くことが出来るであろうか。 霧原警部は、いつも
飲用して居るフランス葡萄酒を取り寄せた。特等訊問法が行われるときには必ずこの葡萄....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れども、港湾の比較的深くして巨舶をつなぐに適すると、渓谷間に清泉の湧出するありて
飲用水を有するとによりて、ここに人の輻湊するに至り、自然に小都邑をなせり。ほかの....