飼殺し[語句情報] » 飼殺し

「飼殺し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飼殺しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
頼まれて真逆に人一人を殺して了う訳にも行かず、仕方なく尤も秘密の場所を求めて隠し飼殺しにするのです。だから繁昌する医者は、大抵此のような秘密の場所を特約して有る....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ドン商売は思い切りました。これを御縁に貴方の乾児にして、小使でも何でもいい一生を飼殺しにして下さい。忰を一人前の人間に仕立てて下さい。給金なんぞは思いも寄らぬ。....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
手紙を受取ったので、ホット一息安心することが出来た。そうしてAの一生涯を、病院で飼殺しにしてもらうように、折返して返事を出すと、すぐにタッタ一人で極秘密の裡に、....
古狢」より 著者:泉鏡花
もりで、地獄の釜で頷いたんですね。ですから、客の方で約束は違えないんですが、一生飼殺し、といった様子でしょう。 旅行はどうしてしたでしょう。鹿落の方角です、察....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
も経ちませぬに、豪い騒動が起ったのは、喜太郎様の嫁御がまた臨月じゃ。 御本家に飼殺しの親爺仁右衛門、渾名も苦虫、むずかしい顔をして、御隠居殿へ出向いて、まじり....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
ら何事を差置いても探しますと、ございました。来るものも一生奉公の気なら、島屋でも飼殺しのつもり、それが年寄でも不具でもございません。 (色の白い、美しいのがいい....
農村」より 著者:宮本百合子
生活をさせられて子供の教育も出来ず、二度とない一生を地主に操られて、働きへらして飼殺し同様にさせられて仕舞う。 小作をしないで暮すと云う事は農民皆が皆の希望だ....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
て、独立の機会を逸する事となりがちでありまた店主の方にすれば、あたら一個の男子を飼殺しにする結果になる。これは、前にも述べたように常に機会ある毎に独立するような....
次郎物語」より 著者:下村湖人
からは、子供が亡くなったのを幸いに追い出されるし、実は、もう、わしの方で、一生|飼殺しの腹をきめて居りましたのじゃ。ところが、正木さんでは、そののろまなところが....
活人形」より 著者:泉鏡花
|糺明て見ようと、掌を高く打鳴らせば、ややありて得三の面前に平伏したるは、当家に飼殺しの飯炊にて、お録といえる老婆なり。 得三は声鋭く、「お録、下枝をどこへ遁....