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飽きる
「飽きる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飽きるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
どの快速力で走っていた。葉子の心はただ渾沌《こんとん》と暗く固まった物のまわりを
飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に、右から左に回っていた。こうして葉子にとって....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
るまで、この光景に深く感を引いた。 この日は自分は一日家におった。三児は遊びに
飽きると時々自分の書見《しょけん》の室に襲うてくる。 三人が菓子をもらいに来る....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
もかかわらず、個性自身に於て満ち足らねばならぬ。その要求が成就されるまでは絶対に
飽きることがない。智的生活はそれを私に満たしてくれたか。満たしてはくれなかった。....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
争しているそばへ行って、それと一緒に走り出しても、大がいは僕が先登だった。それが
飽きると、というよりもむしろ、もう夕方近くなって兵隊がみな隊に帰ると、僕はよく射....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
てな」と思った。彼は子供のときから青年期まで金魚屋に育って、金魚は朝、昼、晩、見
飽きるほど見たのだが、蛍の屑ほどにも思わなかった。小さいかっぱ虫に鈍くも腹に穴を....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
に埋まると云う形になるだろう。」 「ウン、それには異議はない。僕にしろ幼い頃から
飽きる程見せられている形だからね。そして君は、ちょうどそう云う状態の時吝嗇漢ラザ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
した。運動の時にそとで釘を拾って来て、二人の室の間の壁に穴をあけた。本やノートに
飽きるとその穴から呼び出しをかける。石川が話している間は僕は耳をあてている。僕が....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
え。わたくしもこういう静かなところが大好きでございますから、十日や半月では決して
飽きるようなことはございません。お天気のいい日にはこうして散歩でもしていますし、....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
ャスだから可かん。何だって真の満足ってものは世の中に有りやしない。従って何だって
飽きる時が来るに定ってらあ。飽きたり、不満足になったりする時を予想して何にもせず....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
一度もない。と同時に退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、
飽きるような事はなかろうと思う。(尤も菊池は
飽きるかも知れないが、)それと云うの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
をあらわして、その寝すがたは彼女の完全な肢体のくつろぎを見せていた。 コスモは
飽きるほどそれを見つめていた。のちにはこの新しく発見した神殿のほとりに座を占めて....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のを聞かされた。百人のうち九十九人の女は、私がかれらに飽きたら、かれらもまた私に
飽きるであろうし、百人のうち七十五人までは、他の男と無遠慮に、盛んにいちゃついて....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
りも妹たちは、初めて来た姉の家の茶の間や庭先を見廻すのに気をとられて居た。それに
飽きると今度は姉の夫をすぐバット細工の友達にして仕舞った。 「牛乳は牝牛の腹には....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
達に語ってきかせて、孫達は、いくたびそれを聞いても、そのたびに新しい興味を覚えて
飽きるを知らざるも、魂の接触と純朴なる愛情のつながりから、童話の世界に同化するが....
「海のかなた」より 著者:小川未明
しかしみんなは、おじいさんの弾くバイオリンの音に慣れ、またおじいさんの話にも聞き
飽きると、いままでのように、おじいさんのまわりには寄ってきませんでした。 「薬売....