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「飾棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飾棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
が塵溜のようにゴッタに積重ねられて隅々を塞げていた。其傍に無残に厚硝子を破された飾棚が片足折れて横たに倒れそうに傾いていた。其中には銀細工やニッケル細工の小かい....
地獄の使者」より 著者:海野十三
けず、すたすたと足早にそこを離れて向うへ行った。どうしたのかと思っていると、彼は飾棚の上から、同型の真鍮製の積み重ねてある古風な灰皿の一つを取り、それを持って引....
貞操問答」より 著者:菊池寛
美術的な小卓をかこんで巧みに配置され、白い壁にとりつけてある目を楽しませるだけの飾棚や、壁にかかっている見事な織物や金属製の飾物、どの一つにも豊かな詩趣と、驚く....
食堂」より 著者:島崎藤村
で彫ったものであった。お三輪はまた、めずらしい酒の瓶が色彩として置いてあるような飾棚の前へも行って見た。そこにも広瀬さんの心はよく働いていた。食堂の片隅には植木....
決闘」より 著者:神西清
だったが」と言って溜息をするのだった。アルバムの点検がすむと、フォン・コーレンは飾棚からピストルをとって、左の眼を細くして長いことヴォロンツォフ公〔〕を狙ってい....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
ュー式である。読本をあけて見る。ありとあらゆる作者のあらゆる文体の見本が百貨店の飾棚のごとく並べられてある。今の生徒は『徒然草』や『大鏡』などをぶっ通しに読まさ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
。 長椅子の横に、粗石《あらいし》を積み上げた大きな壁煖炉《シュミネ》があり、飾棚《マントルピース》の上には、日暦《カレンダー》や、目覚し時計や、琥珀貝《こは....
日蔭の街」より 著者:松本泰
、トランクは寝台の下に投込んであり、帽子掛には二つの帽子と数本のステッキがある。飾棚の漆塗の小箱、貝細工の一輪挿、部屋の隅に据付けてある洗面台の下の耳のとれた水....
暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
っている宝沢の断末魔の形相を思い浮かべた。彼は部屋を歩き回っているうちに、暖炉の飾棚の上に見慣れぬ黒手帳を発見した。 「おや、宝沢の手帳だ!」 手帳の下から、....
伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
を表すには、この皿を貴下の優秀な蒐集の一部に加えるのが最も適当だと思われる。何卒飾棚の一隅に席を与えてくれるようにというのであった。 みや子は、持っていた筆の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て来たし、光線の工合もいいので、同じ二階ながら、北向きの長四帖に机と椅子と紫檀の飾棚だけをもちこんで、きょうは部屋つくりいたしました。 この、よく働いた大テー....
雑沓」より 著者:宮本百合子
を出ると、父の書斎へ入って行った。 柱に女の能面をかけ、隅に陶器をしまった高い飾棚など置いてある室内には、泰造が消して二階へあがった瓦斯ストウブの微かなぬくも....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
明治二十五六年頃住んでいた築地の家の洋館に、立派な洋画や螺鈿《らでん》の大きな飾棚があった。若い自分が従妹と、そこに祖母が隠して置いた氷砂糖を皆食べて叱られた....
未開な風景」より 著者:宮本百合子
んだもん、そりゃそうだろう。 緑色の仕着せを着た音楽隊はフィガロの婚礼を奏し、飾棚《ショーケース》にロココの女の入黒子で流眄《ながしめ》する。無数の下駄の歯の....