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養分
「養分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
養分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
た一人のママを永久に失ってしまった。お前たちは生れると間もなく、生命に一番大事な
養分を奪われてしまったのだ。お前達の人生はそこで既に暗い。この間ある雑誌社が「私....
「星座」より 著者:有島武郎
あの落ち着いた態度で書物の言葉の重さを一つずつ計りながら、そこに蓄えられている滋
養分を綺麗に吸い取ってしまいそうに見えた。そして読み終えられた書物には少しの油気....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
まいます。ユトランドの荒地は今やこの強梗《きょうこう》なる樹木をさえ養うに足るの
養分を存《のこ》しませんでした。
しかしダルガスの熱心はこれがために挫《くじ》....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
る。機に触れて交換する双方の意志は、直《ただち》に互いの胸中にある例の卵に至大な
養分を給与する。今日の日暮はたしかにその機であった。ぞっと身振いをするほど、著し....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「では、二十四時間の後に、お前たちは、人間狩に出発するのだぞ。それまでは十分に
養分をとったり、人間に見あらわされないような練習を積んだりしておけ」
丸木は、....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
り物を食べたのです。しかし、物を食べるのは口で噛んだり、胃や腸を使ったりして、滋
養分を血の中に吸収させ、その血が身体中を廻って持っている
養分を身体に補給すること....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
臭いのする、しつこい所が潜んでいる。其処に芸術家としての貪婪が、あらゆるものから
養分を吸収しようとする欲望が、露骨に感ぜられるのは愉快である。 今日の流俗は昨....
「博物誌」より 著者:岸田国士
であろう。 おい、おい、何を言ってるんだ……。 彼は潜る度ごとに、嘴の先で、
養分のある泥の底をほじくり、蚯蚓を一匹|銜えて来る。 彼は鵞鳥のように肥るので....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
すがる赤児から死に瀕せる老人に至るまで、それぞれ相当の娯楽を要求する、殆ど肉体が
養分を要求するのと同じである、只資格ある社会の人は其娯楽に理想を持って居らねばな....
「アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
たちにとっては窮屈でありました。根という根は互いにまつわりついて、お互いの水気や
養分を奪い合うのでした。木々の枝は、とても大きなしゅろの葉と入りまじって、それを....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ないナゾというのは愚論だよ。」 が、鴎外は非麦飯主義で、消化がイイという事は衛
養分が少ないという事だという理由から固く米飯説を主張し、米の営養は肉以上だといっ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
よりは滑稽百出の喜劇に終った。が、糞泥汚物を押流す大汎濫は減水する時に必ず他日の
養分になる泥沙を残留するようにこの馬鹿々々しい滑稽欧化の大洪水もまた新らしい文化....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
程出血するような事が起ると私は出血のためにあるいは死んだかも知れん。なぜなれば滋
養分を得られないで出血ばかりした分には補いがつきませんから……十月二十九日その家....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
しなまれても、それがいつも博識を結果するにとどまって、ただちによい「詩」を創める
養分にも刺戟剤にもなり得ない事情が存在していたことが分るのである。それをいち早く....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
教における先覚者の指導啓発ぶりは、全く仏教をわが民族性に適切妥当ならしめ、その滋
養分吸収を容易ならしめたるのみならず、仏教を以て、民族の偉大なる成長発展に正しき....