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「養母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

養母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
い出した。 こう云う僕は僕の母に全然面倒を見て貰ったことはない。何でも一度僕の養母とわざわざ二階へ挨拶《あいさつ》に行ったら、いきなり頭を長煙管で打たれたこと....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
とした。小さい時分から情事を商品のように取扱いつけているこの社会に育って、いくら養母が遮断《しゃだん》したつもりでも、商品的の情事が心情に染《し》みないわけはな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
代はとうとう精も根も尽きはてて、山姥を踊りながら舞台の上にがっくり倒れた。邪慳な養母にさいなまれつづけて、若い美しい師匠は十八の初秋にこの世と別れを告げた。 ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
で楽しい団欒。茶の間では昌彦以外の子供四人とねえや二人が朝子を囲み、八畳では英と養母とに昌彦も加わって、話に花が咲いているらしい。私はこれから募兵紙芝居の執筆に....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
散歩に出たり、晩飯の膳にビールを一本註文したりするのだった。 それを運んで来た養母のお常は 「あたしたちももう隠居したのだから、早くお前さんにお嫁さんを貰って....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
根がおとなしい人間ですから、清七はくやしさが胸いっぱい、もう一つには近ごろ養父や養母の機嫌を損じて、まかり間違えば離縁になるかも知れないと云うようなことも薄々感....
南地心中」より 著者:泉鏡花
いえね、今擦違った、それ、」 とちょっと振向きながら、 「それ、あの、忠兵衛の養母といった隠居さんが、紙袋を提げているから、」 「串戯じゃありません。」 「私....
小公女」より 著者:菊池寛
一緒にちょこちょこと部屋を出て、二階へ上って行きました。 その時以来、セエラは養母さまになったのであります。 セエラは贅沢な持物や、学校の『看板生徒』である....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
という男はことし卅一で、女房もあれば子供もある。ことに養子の身分で、家には養父も養母も達者である。そういう窮屈な身分で土地の芸妓と深い馴染みをかさねたのであるか....
家なき子」より 著者:楠山正雄
いたいなか育ちの少年にとっては思いがけない美しい生活であった。 あの気のどくな養母がこしらえてくれた塩のじゃがいもと、ミリガン夫人の料理番のこしらえるくだもの....
家なき子」より 著者:楠山正雄
さんか、親類は」 「なにもありません」 「どこから来たのだね」 「親方はわたしを養母の夫の手から買ったのです。あなたがたは親切にしてくだすったし、ぼくは心からあ....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
、一人娘の十五になる光子と、その家庭教師の工阪杉江の外に、まだもう一人、当主には養母に当るお筆の三人が住んでいた。そのお筆は、はや九十に近いけれども、若い頃には....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
と思って、吉次郎はともかくも浅草へ帰ってみると、養父の重病は事実であった。しかも養母は密夫をひき入れて、商売には碌々に身を入れず、重体の亭主を奥の三畳へなげ込ん....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
のだったが世話する者があって夫婦養子をしたところが入籍してしまってから養子たちは養母をひどくいじめだしたという近所の噂だった。その癖、その養子たちは人の好さそう....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ありますまい。――無理解とも無面目とも。……あれで皆木戸銭の御厄介です。またあの養母というのがね、唾を刎ねてその饒舌る事饒舌る事。追従笑いの大口を開くと歯茎が鼻....