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養老院
「養老院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
養老院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
って、皆んなでグラウンドへ担いで行き、グラウンドを一周してから代表者がそのパンを
養老院へ持って行って寄附することにすれば、下手な仮装よりもぴりッと利いて面白く有....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
家庭からも社会からも全く廃人扱いをされてしまう。こうした寂しい老人や老婦人らが、
養老院の一室で骨牌《カルタ》をしながら、互に慰め合ってる異国風景を、外国映画のス....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
う寄席の下足番をしていたのだそうだ。心がけが悪くて子供は一人もない由なり。時には
養老院にはいる事も考えるけれど、何と云ってもしゃばの愉しみはこたえられぬ。一日や....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
して、警察での病苦から、財産の無い自分たちに思い到り、この辛《から》い世の中に、
養老院だの施療院だのという映画のセットのような実用にならぬものを当にして、見るべ....
「平和運動と文学者」より 著者:宮本百合子
をもたせなければならないというわけでしょう。この頃は芸術院(これは各専門分野から
養老院という辛辣な別名を与えられていますが)の会員と会食したり、安倍能成、志賀直....
「ひしがれた女性と語る」より 著者:宮本百合子
られなければならないと云う考えは、心を暗くします。 他人の世話に成らない為に、
養老院と、慈善病院があるではないかと云う人が無くはありますまい。けれども、私共が....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
れを市民博物館へ寄附したらどうやとの事で、私も直に賛成した。そして、亀は漸くこの
養老院において、万年の齢を保とうというのである。 新緑のもとに女鹿が子供を連れ....
「一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
》わぬ舌によって空気を震わす盛な声が廊下に充満する。 Yは 「ここの廊下、一寸
養老院の感じだよ」と囁いた。 Y、牛乳の空びんやキセリの鍋を白いサルフェートチ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
風雨を知っているらしい老齢の建物だ。それを「|老人の都会」と呼ぶ。名の示すごとく
養老院で、収容者のなかで手の動くものは何かの手工芸をして一週間一クロウネずつ貰う....
「球体派」より 著者:豊島与志雄
でも測り知られぬ美を持っている。どんな年齢の眼も、どんな生活の眼も、みな美しい。
養老院の中庭に日向ぼっこしている老人の眼も、酒にただれた売笑婦の眼も、それぞれの....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
に私は、ビセートルの大きな門の上に大字で刻まれてる銘に、機械的に目をすえていた。
養老院としてあった。 「おや、」と私は考えた、「あすこで年をとる者があると見える....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
ウたるにひきかえ、将棋の方は老朽七八段がガンクビを揃えて、あとにつゞく新風なく、
養老院のような衰弱ぶりを示していたのであった。 今はアベコベである。木谷は老い....
「円太郎馬車」より 著者:正岡容
」 やさしい声で圓朝は、訊ねた。 「ヘイ。あの昨日のお座敷って、あのホレ年寄の
養老院の一件でござンしょう。エエあれならもう間違いなく行って参りましたよ。落語家....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ります。 今日ならば自ら生活しえぬような気の毒な人々は、これを孤児院、養育院、
養老院などへ収容します。そして国家なり、社会なり、有志の人々なりが、進んでこれが....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
れるが、勿論それは理由にならぬ。なぜなら帝国芸術院は或る批評家も云う通り、芸術の
養老院ではあっても、必ずしも芸術の正常なアカデミーではない。否、芸術のアカデミー....