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養蚕
「養蚕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
養蚕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
》の家へ行ったことがあった。そこは山のなかの寒村で、村は百姓と木樵《きこり》で、
養蚕《ようさん》などもしていた。冬になると家の近くの畑まで猪《いのしし》が芋を掘....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
身のおとよは、とても春光を楽しむの人ではない。 男子家にあるもの少なく、婦女は
養蚕の用意に忙しい。おとよは今日の長閑さに蚕籠を洗うべく、かつて省作を迎えた枝折....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
くると一言いうてよこせば何とかしようもあったに。ほんとにしようがないなこれでは。
養蚕さえやられねば、まさかこんなでもないだが。まァこのざまを見てくっだいま」 「....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
従兄が二人いた。弟の哲つぁんは病気で学習院の高等科を中途でよして、信州の方へ
養蚕の実習に行っていた。女中どもはこの哲つぁんのことを若様と呼んでいた。兄の良さ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
とか保養とかいう人たちは別問題として、上州のここらは今が一年じゅうで最も忙がしい
養蚕季節で、なるべく湿れた桑の葉をお蚕さまに食わせたくないと念じている。それを考....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
てもらった。この日は白山祭でたいていの小屋の人は村へ下山していたが、ここの人々は
養蚕をやっておられたので、幸いに泊めてもらうことができた。なんでも大津で暮してお....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
残された雑木林の下路が、むら消えの雪のように、灰をなすりつけている。レールに近く
養蚕広告のペンキ塗の看板が、鉛のような鉱物性の色をして、硬く平ったく烈しい日の光....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
のを見て、わたしはちょいと見廻って来るからと云って、少し離れたところに建ててある
養蚕所を監視に出て行ったので、この広い家に年のいかないもの二人|限であるが、そこ....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
た。 その晩の九時ごろから果して青年団が繰出して行くらしかった。地方によっては
養蚕の忙がしい時期だが、僕らの村にはあまり
養蚕がはやらないので、にわか天気を幸い....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
、まったく夜は静かです。ここの家もむかしは大きい宿屋であったらしいのですが、今は
養蚕か何かを本業にして、宿屋は片商売という風らしいので、今夜もわたし達のほかには....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
作を妨ぐるのみにして、米の収穫如何は貿易上に関係なしといえども、東北地方は我国の
養蚕地にして、もしもその地方が戦争のために荒らされて生糸の輸出断絶する時は、横浜....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
少しばかりの田畑を小作しているとのことだが、むろんそれだけで足りようはずはなく、
養蚕時はその手伝いに、農繁期には日傭取りに……というふうにしてささやかな生計を立....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
湯治とか保養とかいう人たちは別問題として、上州のここらは今が一年中で最も忙がしい
養蚕季節で、なるべく湿れた桑の葉をお蚕様に食わせたくないと念じている。それを考え....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
ラ神の形体や信仰も常に同一であったとはもちろん言われない。奥州方面では今日これを
養蚕を守る神として崇敬し、したがってその御神体も、桑の木をもって造るを法とするよ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
短歌はどうだ。立派に歌壇の水準を出ているじゃないか。それもほとんどが耕作したり、
養蚕したり、縄を編んだり、馬を追ったりしている。それぞれに自己の生活を凝視めてい....